2013/10/11

【貫通!】国道357号 東京港トンネルのシールド1本目が貫通

シールドマシンが姿を現した
国土交通省関東地方整備局川崎国道事務所が東京都品川区に建設を進めている「国道357号東京港トンネル(西行き)」が貫通した。大井ふ頭から海底を中心に約1.5㎞を約10カ月で掘り進んだシールド機が、中心位置の誤差15mm以下の精度で臨海副都心に到着した。施工は、鹿島・大林組JVが担当している。


トンネル内部
東京港トンネルは、臨海副都心と大井ふ頭を結ぶ海底トンネル。既存の首都高速湾岸線の両側に計2本計画している。このうち、建設中の西行きトンネルは、シールド区間1470mを含む1880m。シールド機は、最大で1日20m、1月に314mのスピードで東向きに掘進した。軟弱地盤を低土被りで掘進する際の浮き上がり対策として、掘削と同時に床版を組み立て、おもりの役割をさせることで、線形通りのトンネルを構築した。床版が早めにできることで、重ダンプによるセグメントや土砂の運搬も可能にした。
 また、セグメント装着時の浸水を防ぐテールブラシの4枚使用や、録画可能なカメラによる24時間監視、停電時のバックアップ電源の確保など、海底トンネル工事における万全な安全対策を講じ、無事掘削工事を完了した。
 現在、トンネル延長の6割まで、2次覆工を完了している。工期は2014年3月まで。川崎国道事務所はその後、設備工事などを実施した上で、15年度の開通を目指す。
 同事務所の畦地拓也東京湾岸道路特別総支配人は、「西行きの開通で羽田空港へのアクセスが高まるとともに、首都高速湾岸線の交通が分散化される」と期待している。東行きも今年度の工事発注を予定している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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