2015/06/24

【日建協】先輩がいれば、不安少ない…キャリア形成にロールモデル必要 女性技術者会議

日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、植村芳輝議長)が23日に開いた女性技術者会議=写真=では、出産や育児などといった女性特有のライフイベントだけでなく、男女を問わず直面する介護への対応も含めて、多様なロールモデルを享受できる建設産業界の構築を求める声が相次いだ。日建協では、会議で得られた意見を今後の活動に反映させていく。

 会議には、日建連加盟組合から13人が参加。3つのグループに分かれて、キャリア形成のためのロールモデルをワークとライフという側面から検討し、あるべき理想像とともに、その実現に向けた問題点や解決策を探った。
 出産や育児では、産休や育休を取得した場合、復職しやすい環境を醸成する必要性から、モバイルパソコンなどで会社の情報に絶えず接することができるようにしたり、上司との面談を年数回義務化するよう求める意見が出た。
 また、拘束時間が長く、休暇も少ないため、必要な資格を取得するための勉強時間を確保することが難しく、特に女性の場合、出産や育児で一時的に職を離れる時期があるため、現場に配置する人員を増やすなど適正な休暇が取得しやすい環境を整えるべきといった声も上がった。
 議論は転勤にも及び、配偶者が転勤する場合、その転勤先に合わせて異動可能な制度を構築しているゼネコンもあることから、そういった支援制度を求める意見や、土木技術職の場合、現場の転勤が多く、それがキャリア形成に大きく影響するため、家庭の事情で一度転勤を断っても、再び同様の現場が出てきた際に異動させてくれるような環境の必要性を訴える声も上がった。
 このほか、女性の先輩社員が少ない、もしくはいないため、今後のキャリア形成に不安を覚えている女性技術者も少なくないことから、ゼネコンなどに勤務する女性職員が中心となって構成する「ゼネコン女性交流会」など情報交換の場を活用する意見や、ゼネコン同士が連携して社員向けの保育園や介護施設を設けたり、退職後のゼネコンOBを子育てや介護の支援に活用する意見など、参加した女性技術者は自由に意見を出し合った。
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