横浜アリーナは7月1日にリニューアルオープンする。改修を担当した竹中工務店は、横浜アリーナの休業期間が6カ月という厳しい条件の下、工事項目を絞り込み分割して作業を進めることで、工期どおりの改修を実現した。照明や空調、衛生、電力設備などがリニューアルされたほか、トイレやボックス席なども改修した。
当初は全体で200にのぼった工事項目を78まで絞り込み、改修を進めた。2016年1月から6月までの休業期間を前に、15年5月から前倒しで4項目の改修工事を進めた。前倒し改修では受変電設備の更新や北面と西面の外壁の改修、屋上の防水保護塗装、ホール内壁の吸音板の張り替えを完了させた。当初は4階の受変電設備を入れ替える予定だったが、1階に変電設備を新設し、既存設備をサブとして使用することで約2カ月半の工期短縮を実現した。
休業期間中の大規模改修では、施設内部の改修を進めた。アリーナ内部天井の666灯の照明をハロゲンランプからLED(発光ダイオード)照明に交換したことで、天井面全体で約10tの軽量化を実現。天井の吊荷重許容量が増加し、最大で約10tの吊り荷重に耐えられるようになった。
延べ4300㎡に及んだアリーナ吸音板の塗装では、同社技術研究所の音響グループが、塗装による音響への影響を分析。そのデータを基に、吸音率の低下を防ぐ専用の塗装を施すことで、音響への影響を最小限に抑えた。また、天井裏の耐震補強工事では安全施工の一環として、作業員の入退場を厳格に管理し、ブレース増設などによる耐震化を進めた。
横浜アリーナ大規模改修作業所の現場代理人・管理技術者を務める竹中工務店横浜支店の高橋昭三氏は「安全管理を徹底した結果、無事故・無災害が達成できた」と振り返った。
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