日本建築学会は5日、大学生が子どもたちに実施するワークショップの内容を決定する「第6回子どものまち・いえワークショップ提案コンペ」の公開審査会を東京都港区の建築会館で開いた。最優秀賞に工学院大学の「BOO FOO WOO-3棟のこぶた基地-」、優秀賞には東海大学の「積んで、抜いて、立体都市~巨大ジェンガで街をつくろう~」が選ばれた。最優秀受賞作品は秋に開催する「親と子の都市と建築講座2016」でワークショップを実際に実施する予定だ。写真左から五十嵐愛美さん、増村慎之介さん、城くるみさん
最優秀賞を受賞した工学院大大学院でチームリーダーを務めた修士1年の五十嵐愛美さんは、「こうした受賞は初めての経験でとてもうれしく思っている。ワークショップを企画することが以前からの夢だったが、夢がかなう直前まで来ることができた。うれしい半面、実施に向けて頑張りたい」と意気込みを語った。
「BOO FOO WOO-3棟のこぶた基地-」のワークショップでは、3チームに分かれた参加者がそれぞれの素材を用いて「秘密基地」をつくり、おのおのの工夫やデザインの特色を共有して理解する。単純な内容ながら目的が明快で子どもたちにも分かりやすいことが審査員から高い評価を受けた。
同じく修士1年の増村慎之介さんは、「子どもがやって楽しいかどうかを重視して検討を重ねた。ワークショップをやる側も受ける側も楽しめるような、実のある内容にしたい」と語ったほか、同修士1年の城くるみさんは、「将来は保育園など子どものための施設を設計したいと思っているため、今回のワークショップを通じて子どもたちについて知りたい」と開催に向けた期待を述べた。
審査委員長を務めた藤森照信氏は、「ワークショップでは建築・まちなみ・空間を分かりやすく生かした明確なものが好まれるが、今回は建築の案が1等になった。参加者の皆さんには、これに負けないような空間やまちなみのアイデアをこれからも考えてほしい」と総評した。
また、審査員の中津秀之関東学院大学准教授は、「子どもは本質で動くため、子どもがどうすれば楽しめるのかを考えた提案はすべての人を考えることにつながる」とした上で、「子どもを見れば人間の本質が見えてくる。これからの建築のプロになるための重要な訓練としてワークショップに取り組んでほしい」と受賞者を激励した。
このほか、建築評論家の植田実氏と東京工科大学の宮元三恵准教授が審査員を務めた。
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