2016/06/28

【新豊洲Brillia】豊洲に屋内ランニング施設が誕生! 施設も心も「フリー」のスポーツ×アート空間


 東京・豊洲に屋内ランニング施設が誕生する。東京ガス用地開発と太陽工業が計画し、東京建物がネーミングライツを取得した「新豊洲Brillia(ブリリア)ランニングスタジアム」だ。スポーツとアートの複合施設として、障がい者スポーツのトレーニングや「かけっこスクール」、アートパフォーマンスの場などに活用する。館長には発案者である元陸上選手の為末大氏が就任。木造フレームによる膜構造を採用するなど、建築的にユニークな施設でもある。ことし12月のオープンを目指している。

 トンネル状の施設は、長さが108m、幅16.27m、高さ8.5m。屋内60mトラック、研究施設、シャワー・更衣室などで構成する。敷地面積は4847㎡で、このうち建築面積は1985㎡。
 構造は屋根木造、梁S造、柱RC造のハイブリッド構造を採用している。屋根は、工場加工によりユニット化したカラマツ集成材の6角形架構を現場で組み上げてアーチ形状の屋根を形成し、日本で初めて「ETFEフィルム膜構造」を大規模に採用する。接合部が簡易で、仮設建築にも応用可能だという。
 膜素材のETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)は、フッ素樹脂の一種で、透明でフィルム状のため薄くて軽く、耐候性にも優れる。ガラスのような透明感に加え、地震に強く安全性の高い開放空間を演出する。
 設計は、耐火集成材による大規模商業施設などの実績がある武松幸治+EPA環境変換装置建築研究所(東京都目黒区)が担当している。

屋根にはETFEフィルム膜構造を大規模に採用

 このランニングスタジアムには、義足エンジニアの遠藤謙氏が代表を務めるXiborg(サイボーグ、港区)が拠点を構え、競技用義足の開発や障がい者トップアスリートの強化訓練などを行うほか、為末氏が代表を務める侍(渋谷区)が、かけっこスクールなどを開催する予定だ。一方、障がい者と健常者が共同でアートパフォーマンスを作り上げるイベント「SLOW・MOVEMENT」を展開するNPO法人・スローレーベルの活動拠点にもなる。
 施設には、「支援・応援するだけではなく、より多くの人々、あらゆる人種、さらに健常者や障がい者といった垣根を越え、一体感を生み出し、喜びを共にする」という思いが込められている。ハードのバリアフリーだけでなく人々の心の中のバリアフリー、ソフト面も含めたバリアフリーの実現を目指す。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿