2016/06/27

【森の循環協】水源森林資源で作った木製フェンスが「街中の森林」に! 絶滅危惧種「羽蝶蘭」の再生も


 全国森の循環推進協議会(菅沼等会長)と同推進サポーター会(小松範昭会長)は、横浜市中区のホテルで事例発表会を開き、水源森林資源を活用した「白楽アパートメント・木製フェンス」などを発表した。2016年度は農林水産省・林野庁の補助事業や新たな水源地保全活動を展開する。引き続き全国の大都市を支える水源地の活性化などに取り組む。

 水源シリーズの1つ、白楽アパートメントは、構造材に小国ウッディ協同組合(熊本県)の木材を使用し、横浜のプレカット工場で加工した。床は県産の12mm杉合板を二重に張り合わせて使用し、すべて手運びで上棟した。3月に竣工した。外壁フェンスには横浜市の水源地である山梨県道志村産材と神奈川県山北町産材の災害用木製フェンスを設置した。フェンスは街中の森林となり、視覚的に安心感を与え、工事現場のイメージアップにも結び付いた。災害時には避難所の間仕切りとしても使用できる=写真。
 国の補助事業は林野庁などの「新たな木材需要創出総合プロジェクト」で、木になる紙ネットワークが補助採択を受けたことから、同推進協議会とサポーター会が連携して山北町の森林体験、市民講座の開催、横浜市の「道志水源林100周年記念事業」への参画などを進める。あわせて間伐材を使った紙製品の製造・販売によって森林整備資金の循環を生み出す。
 新たな水源地保全活動は、商業的な大量採集によって絶滅しかけた野生の「羽蝶蘭」を山北町の山に取り戻す活動を開始する。7月のアンタリア国際花博覧会にも出品し、活動を紹介する。
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