2014/03/11

【3.11】「日本の未来をつくる」勇気…「建築のチカラ」20人からの言葉

創造と想起はメカニズムが似ているという。いずれも脳の前頭葉と側頭連合野のチームワークから生まれる。3年前のあの悲しみの日を忘れず、思い起こすことは大切なことである。そして、今度は、あの記憶を原点に、改めて人間の可能性を創造してみよう。今日の終わりに明日がみえてくるはずだ。20人の著名な方がそんな貴重なメッセージを寄せてくれた。「日本の未来をつくる」勇気をもらえる。

◆歌手・加藤登紀子

 「忘れません! 大切な故郷を、家族を友だちを失くされた大きな悲しみは、いつか時を経て新しい勇気と愛に変わっていくと思います。それまで、心のうちを言葉にし、苦しみを分け合っていけることを心から願っております」

◆劇団唐組俳優・稲荷卓央

 「紅テント、東北公演でのあたたかい観客のまなざしや、協力していただいた人達を忘れてません。いつか また!」

◆箏曲演奏家・榎戸二幸
「2020年東京オリンピック・パラリンピック開幕式で義援金の『御礼』を全世界へ発信したいです」

◆音楽物書き・加藤浩子
「あの日から、もう3年。皆さまを襲った悲しみ、まだまだ終わらない苦しみから、目を背けないで、心を重ねて参りたいと思います」

◆慶應義塾大学教授・金子郁容

 「宮古市の医療介護ネットの運営や大槌町の小中一貫教育にかかわっています。これからも一緒にやってゆきたいです」

◆歌手・叶正子(サーカス)
「この3年間にあふれた、たくさんの涙を思いながら、今年もまた4人のハーモニーを東北に届けたいと思っています」

◆俳優・川上麻衣子
「東日本大震災から3年。先日訪れた被災地で、厳しい現実を目の当たりにしました。共に今を生きる私たちが日々の生活の中で出来る『繋がり』を探すこと、忘れません」

◆バイオリニスト・木嶋真優
「1日でも早い癒しを! 音楽を通して皆さまを笑顔にすることが私の夢です。皆さま、一緒に頑張りましょう!」

◆劇団唐組番頭・俳優・久保井研
「揺さぶり崩されようとも、押し寄せ流されようとも、人がいる限り街は蘇える。街に息づきがある限り人は集う」

◆俳優・黒田福美
「東北の皆さんの真摯な頑張りは世界中を感動させ、私たちに日本人であることの誇りをもう一度教えてくれました。いつまでもその悲しみに寄り添い続けたい」

◆シンガーソングライター・杉田二郎
「あの美しかった風景が、1日も早く皆さまのふるさとに戻ってくることを心よりお祈りいたします」

◆日本画家・千住博
「2011年3月11日からが、新しい日本の始まりです。力を合わせて、すばらしい未来をつくっていきましょう」

◆編集者・演出家・高平哲郎
「3年前の5月に福島から来て家族に加わり、新しい名が付いた遠慮がちな中型犬クーが、今では自己主張をするのが嬉しい限りです」

◆俳優・竹下景子
「『かたりつぎ』での朗読も3回目。震災の体験を皆で共有することで、明日への希望の光となれますように」

◆ジャズバイオリニスト・寺井尚子
「今、この一瞬を大切に、心と心の絆を大切に生きてゆきたいと思います。どうぞお身体を大切に温かくしてお過ごしください」

◆ベンチャー・キャピタリスト/原丈人
「人工物が自然に立ち向かうことのおろかさを忘れません。どんな自然とも共存できる街づくりの大切さを学びました」

◆劇団唐組俳優/藤井由紀
「東北へテント公演に行かなくなって10年以上たつ。何のための移動劇場なのか。いつか必ず行きたいと思います」

◆笙奏者/宮田まゆみ
「震災の年の夏から仙台の大崎八幡宮で、雅楽を一緒に歌い、演奏して皆で元気になっていこう、という会を開いています。8月13日。どなたでも参加できます!」

◆ジャズピアニスト/山下洋輔
「無事に音楽が出来ることをいつも感謝しています。私も微力ながら、震災復興に向けた活動にご協力したいと思っております」

◆ハープ奏者/吉野直子
「先日、コンサートでいわき市を訪れました。1日も早く穏やかで豊かなときが戻ることを願い、音楽の力を借りて、これからも微力ながらも貢献できれば、と思います」
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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