オペレーター用提示映像(左:前方映像+右:俯瞰映像) |
俯瞰映像は、東大淺間研究室・山下研究室の研究技術を応用したキャリブレーション方法を使って、機械の4方向に取り付けた魚眼レンズカメラの映像を合成し、擬似映像をつくりだす。
俯瞰映像だけでなく、遠隔操作に必要な任意の方向の映像生成と、それらの映像の遠隔操作による切替方法も確立した。また、これらの映像をひとつの無線回線を使ってハイビジョン画素数(1280×720ピクセル)で伝送する装置も開発した。
システムとロボQを油圧ショベルに組み込み、俯瞰映像が与える操作性の影響についての遠隔操作実証実験を実施した結果、ショベルの前方だけにカメラを設置した場合に比べて、走行時の障害物回避や停止位置精度、掘削時のバケット刃先の位置決め精度が優れていることが確認できた。位置決めについては1.5-3倍の精度向上が図られた。
これまでの無人化施工の映像提示手法では、油圧ショベルの前方にカメラを搭載するとともに、ショベルを外部から撮影できる位置に固定カメラをあらかじめ配置して、映像を組み合わせていたが、緊急災害への対応では安全面などから固定カメラの適切な配置が困難なケースも多い。
今回開発したシステムは機械に取り付けたカメラだけで重機上部からの視点も確認できるため、固定カメラが不要となり、緊急災害への対応力も向上する。
今後は、無人化施工現場での実適用に向け、画像の高精細化、耐久性向上、さまざまな建設機械への適用などについて検討を進める。災害対応のほか、トンネルの掘削、はつりなど、人の健康に影響を与える場面での導入も視野に入れている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
0 コメント :
コメントを投稿