2014/03/04

【建築】大賞は内田さん(新潟大)古町題材の新潟建築賞コンペ

新潟県建築士会(川ノ口信一会長)は1日、第34回新潟建築賞設計コンペのプレゼンテーションを新潟市西区のメイワサンピアで開いた=写真。初めての公開審査の中、内田真仁氏(新潟大学)の「-まちの人でつくる『まちの顔』-」を大賞に選んだ。
 今回の課題テーマは「まちなかの復権」。新潟県随一の繁華街であった古町地区(新潟市中央区)の建物跡地をその舞台に設定した。
 内田氏は、同地区に立地している店舗がそれぞれの特色を気軽に紹介できる、オープンスペースを提案。フロアに高低差を与えることで、店舗間の境界を生み出すとともに、中央部の広場と各店舗が有機的につながるよう階段を設け、にぎわいの創出を図っていく。
 審査委員長の曽我部昌史氏(みかんぐみ主宰)は、プレゼンテーションに対する工夫を求めながらも、「限られた空間を生かすアイデアが感じられ、(最終審査で)最もテーマに即している」と評価した。
 また、全体を通して、「クリエーティブな仕事には、事前の調査が必要となってくる。実際に足を運ぶことで、われわれの認識よりも先にある現状をとらえられる。まちなかの魅力を伝え、発展させていくためにもっとリサーチに取り組んでほしい」と講評した。
 今回のコンペは同会の会員、準会員のほか、県内の学生らを対象とし、34点の応募があった。内田氏を除く1次審査通過者(優秀賞)は次のとおり(敬称略)。
 ▽塚野琢也(同会新潟支部)=「roji2.0 次世代型路地」▽玉田裕介(新潟日建工科専門学校)=「屋根がつくる風景」▽岸博文(同)=「Sky Garden」▽五十嵐康太郎(新潟工科専門学校)=「街のオアシス」。
 内田氏のコメント 「商店街の衰退という社会的課題に対し、普遍的な提案を心掛けました。それを評価いただき、非常にうれしく思っています。プレゼンについては研さんしていきます」
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