2014/03/25

【情報提供施設】地元で愛された坂詰組の「耐震カフェ」、お別れ

「耐震カフェ」の玄関先で記念撮影
北陸地方整備局が進める阿賀野川堤防耐震化事業の工事情報提供施設として、施工者の坂詰組(本社・新潟県阿賀野市、坂詰敏彦社長)が設置した「耐震カフェ」が20日に閉館した。子どもからお年寄りまでが気兼ねなく足を運べるコミュニティーの場となっていただけに、地元からは惜しむ声が聞かれた。
 当日は雨が降る中、耐震カフェの最後を見届けようと松浜小学校の児童4人が来館。同局阿賀野川河川事務所の齋藤明副所長や同社の広田勝一専務、坂詰昭彦常務らも駆けつけた。
 阿賀野川松浜みなと(中)特殊堤耐震対策工事で監理技術者を務めた丸山哲さんは、「立ち寄りやすい空間づくりを心掛けた」とさまざまな取り組みを振り返りながら、「次の現場でもこの経験を役立てながら、今後も住民の方々と良好な関係を築いていきたい」とあいさつ。現場代理人の後藤勉さんも積極的な広報活動に携わった一人として、感慨深げだった。情報提供員の石黒由依菜さんは、「多くの人とのふれあいを通じて、普段はできない経験ができ、さまざまなことを学べた」と関係者に謝意を表した。
 お茶を飲みながら談笑する中、小学生の一人は「春休み期間中の遊び場が1つなくなった」と口をとがらせた。玄関先で記念撮影し、耐震カフェの幕を下ろした=写真。
 施設内に設置していた防災セット、クリスマスツリーは地元自治会に寄贈した。自治会長は閉館に立ち会えなかったが、「寄贈も含め、耐震カフェの役割、現場作業員の対応などに関して感謝の言葉をたくさんいただいた」(丸山さん)という。水槽の生き物は近くのひょうたん池に放流した。
 カフェには9月2日のオープンから閉館までの128日間で延べ1101人が訪れたという。間伐材を使った見学デッキや工事概要の音声案内、室内での給茶機、水槽の設置などで内外装を工夫し、「入りやすさ」(後藤さん)を意識した。また、常駐の情報提供員として採用された石黒さんは、誰にでも分かるような言葉で工事内容を伝えようとする姿勢と明るい人柄が評判だった。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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