19世紀オランダ。マンガン彩タイルに描かれる聖書の一場面 |
土を焼いて作られるタイルは、人類の文明とともに発祥し、建築を彩ってきた。古くは古代メソポタミアの神殿の壁を円錐形の焼き物で装飾し、エジプトのピラミッドではファラオの魂に捧げる空間の壁一面をトルコ石の色をした美しいタイルで飾った。時代が進むと、暮らしの中に使われるようになり、壁や床の装飾にとどまらず、視覚的イメージを共有する「メディア」としての機能を持ち始める。
いち早くタイルが普及した17世紀から18世紀のオランダでは聖書の一場面を描いたタイルを壁や暖炉に張り、それを家庭での宗教教育に使った。中国やイスラムでは教訓や理想が描かれ、19世紀の英国では暮らしを謳歌する人々がタイルを通して文化やメッセージを発信した。
同展ではタイルを通じ、国や地域によって異なる生活文化を読み取ることができ、美しさや装飾性にとどまらないタイルの奥深さにも触れることができる。
入場は一般が600円。会期は8月26日まで。9月には大阪会場で巡回展が予定されている。
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