2014/03/23

【省エネ支援】市販の機器組み合わせ、監視のカスタマイズ化も可能

市販機器を組み合わせた電力監視盤の施工例(同社)。自社のエネルギー使用状況も公開している
システム開発などを手掛けるクレアビジョン(本社・東京都板橋区、小川潤社長)は、市販の計測機器を組み合わせてエネルギー監視システムを構築する事業「エバーグリーンビジョン」を展開している。顧客のニーズや予算に合わせてシステムをカスタマイズできることから、省エネ化が遅れている中小規模の建物を対象に導入が進んでいる。
 エバーグリーンビジョンでは、オフィスビルや工場で使われる電気、ガス、水、コンプレッサーエアーを監視し、無駄を見つけて制御することで、省エネを実現するシステムを構築する。
 例えば、電力の場合、各フロアの分電盤の各ブレーカーの出力側にセンサーを取り付け、使用量を常時計測。これらの情報を電力監視盤のコントローラー(PLC)に集め、専用ソフトでリアルタイムに「見える化」する。顧客はウェブブラウザなどを通じてパソコンで情報を把握できる。
 システムを構成する機器は、「通信規格さえ合えば、市販の製品を組み合わせることができる」(佐久間善行同社常務)。そのため、市販の安価な機器を選択できるほか、既存建物の中央監視システムとの連携や電力監視システムの既設機器の有効活用により、新規投資を極力抑えられる。
 パソコンによる情報の表示方法は、標準パッケージの販売に加え、カスタマイズも行う。求めているデータは、「リアルタイムの監視データがほしいのか10分ごとでもよいのか、前年と比較したいのか他の棟と比べたいのかなど、顧客によって異なる」(同)からだ。さらに、契約電力を超えないような警告、ピーク時の空調や昼休みの照明・動力の自動制御も可能だ。
 システム導入に際しては、同社が事前の省エネコンサルティングから、機器のプログラムや動作確認、事後対応まで一貫して窓口となる。それを可能としているのは、工場などの受託システム開発などを手掛けてきた実績。
 同社は「時代の先を見る目と、それを実現する技術を持ち合わせた頭脳集団」を標榜し2008年に設立。以来、省エネを中心とするさまざまな顧客ニーズに応えてきた。また、「施工会社やメーカーの協力があってこそ実現している」とも。
 エネルギー監視システムは、使用量の監視に加え、ソーラーパネルなどの発電量の遠隔監視にも応用している。省エネ化のニーズが大きいデータセンターに対しては、サーバー情報管理、入退館管理、施錠管理などのシステムも提供している。今後も、事業を通じて「IT(情報技術)を使って地球を守る」ことを目指している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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