仏企業のナリッジ・コープは、同社が開発した現場管理ソフトウエア「FINALCAD(ファイナルキャド)」を日本市場に投入する。ファイナルキャドは、タブレットだけで現場の専門工事や工程管理を行えるアプリケーション。設計や元請け、下請けが共通したプラットフォームで使えるもので、同社は「アプリを導入するだけで、現場の生産性を2倍にできる」(オウレリアン・ブラーハマーケティングディレクター)と話す。
ファイナルキャドは、通常のCADソフトで作成した現場図面を登録しておくと、その図面上に全工程の品質管理や安全、躯体、電気、空調、衛生、内装といった工程の進捗情報を書き込める。
例えば、共同住宅現場では、自分が各部屋の内装工事の品質をチェックする場合、該当の部屋に行って図面を開き、チェック個所をタップして進捗を確認したり、問題個所があればその写真を撮影して図面に添付することができる。
また基礎工事では、杭の1本ずつの配筋やコンクリートの状態を図面に書き込める。チェック個所には自動で番号が振られ、現場に参加するすべての業者が同じプラットフォームで利用できる。
同社は「3回のタップで問題個所を特定し、属性を決め、説明も完了する」と強調する。また図面には、コメントや工程締切、写真、設計図の抜粋、スケッチなど制限なく追加できる。
品質管理画面 |
データはクラウドで管理されるため、業者ごとのアクセス権限設定やレポートの自動作成、メール送信が可能だ。
またシステム内で、業者ごとの進捗ランキングや全体の工程進捗率がグラフなどをつけたレポートとして自動生成される。
これまでに25カ国の1000を超えるプロジェクトに納入実績があるといい、シンガポールではマリーナ・ベイ・サンズの改修や、日系ゼネコンが手掛けた中央病院プロジェクトにも導入された。
同社は、設計ツールではなく「プロジェクト管理ツール」として、今後日本の建設会社に売り込んでいく。
アプリは、アップルのiTunesで「FINALCAD」として検索すると、ダウンロードが可能だ。
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