2015/02/10

【八ッ場ダム】ついに本体建設工事が起工! 『高速施工』『永久構造物の構築』がテーマ

計画発表から60年以上の年月を経て、八ッ場ダム本体建設工事が本格始動する。国土交通省関東地方整備局は7日、八ッ場ダム本体建設工事起工式を群馬県長野原町の総合運動場若人の館で開催した。地元の群馬県、長野原町、東吾妻町、地権者を始め、関係都県の代表、地元選出国会議員ら多くの来賓を迎え、事業の大きな節目を祝った。1日も早い完成を目指して工事を進めていく。

 施工は清水建設・鉄建・IHIインフラシステムJVが担当。『高速施工』『永久構造物の構築』をテーマに高品質のダムを造り込む。今後、基礎掘削を進めた上で、2016年6月から本体コンクリート打設に入る。標準工期は18年10月1日までとし、八ッ場ダム工事事務所と清水建設JVが一丸となり、514日という大幅な工期短縮に取り組む。
 式典では、越智繁雄関東地方整備局長の式辞に続き、地元を代表して大澤正明群馬県知事、下流都県を代表して上田清司埼玉県知事、施工者を代表して宮本洋一清水建設社長らがあいさつした後、関係者が鍬(くわ)入れ式、くす玉開披(ひ)を行い、工事の安全と早期完成、生活再建の円滑な実施を祈願した。

◆工事と生活再建事業に全力

八ッ場大橋からのぞむダム堤体の建設予定地
越智繁雄関東整備局長は冒頭の式辞で、「地権者、長野原町、東吾妻町、群馬県、利根川下流関係都県の協力の賜で起工式を迎えることができた。『八ッ場ダムができて良かった』と思っていただけるよう工事と生活再建事業に全力を挙げて取り組みたい」と決意を述べた。施工は清水建設・鉄建・IHIインフラシステムJVが担当している。=1面参照
 大澤正明群馬県知事は「生活再建なくして事業は完成しない。上信自動車道の整備などを進め、活性化に取り組む」とあいさつし、関係都県代表の上田清司埼玉県知事は「上流部の思いをくみ、1日も早い完成を期待する」と述べた。
 来賓を代表し、衆議院の佐田玄一郎議員、小渕優子議員、笹川博義議員、福田達夫議員、参議院の中曽根弘文議員、山本一太議員、脇雅史議員、長野原町の萩原睦男町長、東吾妻町の中澤恒喜町長らが祝辞を述べた。
 続く事業説明で矢崎剛吉関東整備局八ッ場ダム工事事務所長が、「永続的に安心して使えるコンクリート構造物として品質確保を徹底するため清水建設JVと一体となって取り組む。生活再建と『車の両輪』に事業を進めることが重要だ」と力を込めた。
 宮本洋一清水建設社長は「本体工事の施工に当たり身が引き締まる思い。各社の総合力を結集し、最適な品質の施設を引き渡す」と強調した。
 その後、越智局長、知事らが鍬(くわ)入れ、宮本社長らJV関係者がくす玉開披(ひ)した。
 八ッ場ダムは、重力式コンクリートダムで堤高116m、堤頂長291m。工事場所は、長野原町川原畑字八ッ場、金花山ほか。
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