2015/02/08

【現場の逸品】生コンとセメント業界がタッグ! 普及促す解説書『コンクリート舗装入門』

生コンクリート業界とセメント業界が連携し、建設会社に向けたコンクリート舗装の普及活動を本格的に始めた。そのツールとして配布するのは、全国生コンクリート工業組合連合会と同協同組合連合会がセメント協会と合同で組織するコンクリート舗装推進会議が策定した『コンクリート舗装入門』。施工者に基本技術を理解してもらおうと、5000部を用意した。

 日本の道路整備網121万㎞のうち、コンクリート舗装道はわずか4.5%に過ぎない。簡易舗装道も含め、国内ではアスファルト舗装が主流だが、近年はアスファルトの高騰と供給不足を緩和しようと、国土交通省が適材適所でコンクリート舗装を積極的に採用する方針を打ち出し、普及に追い風が吹こうとしている。
 1950年代には5割を超えていたコンクリート舗装だが、採用件数の減少に伴い、施工ノウハウを持つ建設会社は激減している。同推進会議では「技術の理解不足が普及の妨げになる」と、施工規模の比較的小さい市町村道の舗装工事を対象にした基本技術の解説書として『コンクリート舗装入門』を策定した。
 発注規模が数百㎡と小さく、地場建設業が容易に施工できる市町村道や農林道、生活道などの舗装工事にターゲットを絞り、あえて大型の舗設機械を使って施工する高速道路や一般国道などを適用外にした。丈夫で長持ちし、ライフサイクルコストの削減にもつながるコンクリート舗装ではあるが、アスファルト舗装に比べて早期の交通開放が難しいなどの課題もある。

早期交通開放「1DAY PAVE」の公開施工には27件累計2600人が訪れた
補修工事向けには、セメント協会が養生期間を24時間以内に短縮できる早期交通開放型技術「1DAY PAVE」の普及に乗り出し、これまでに48件延べ1万0886㎡の試験施工を実施している。その半数以上で公開施工を行い、自治体発注者や建設会社など2600人もの参加者を集め、工法の理解も進んできた。
 30ページほどの入門書ではセットフォーム工法による普通コンクリート舗装の基本的な技術の要点をまとめた。打設時の注意点だけでなく、供用後に発生するひび割れなど補修の対応についても解説している。連合会は各地域から要望が出れば、説明会も開催する予定。希望者には入門書も配布する。問い合わせは連合会・電話03-3553-7232。

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