2020年の東京のイメージカラーとして、色彩豊かな街並みが好まれている--。ドイツ特殊化学品メーカーのランクセスが都市景観への色彩意識について大学生に調査したところ、「白系」「赤系」「青系」の景観を望む傾向が強いことが分かった。ペーター・ワインマール社長兼日本・韓国代表は「東京五輪に向けた都市計画の政策立案でも、都市の色についてしっかりと議論してもらいたい」と呼び掛ける。
意識調査では、回答者の6割が現在の東京の都市カラーとして「灰色系」をイメージしている。20年のイメージでは灰色系が2割に減り、白系が現行イメージ比べて13ポイント増の19%に、赤系が9ポイント増の15%に、青系が6ポイント増の11%に上昇。超高層ビルの連立を象徴するような灰色系のイメージを、20年には色彩豊かな街並みに変えてほしいと望んでいる傾向が浮き彫りになった。
色のバリエーションがほしい建造物や建築物については、劇場や図書館などの文化施設が36%、スポーツ施設などの大型スタジアムが32%、橋が29%となり、人の集まる施設や都市のシンボルにはより鮮やかな色彩を求める傾向も明らかになった。1位の文化施設では茶、赤、白の色味を求める声がそれぞれ2割を超え、大型スタジアムでは白と青の色味がそれぞれ3割以上となった。
調査は、東京都在住の18歳から22歳までの男女618人に実施した。コンクリートを着色する無機顔料を販売する同社にとっては調査によって、今後さらに加速する東京のインフラ整備の事業トレンドを把握することが狙い。色彩豊かな都市景観のニーズが高まれば、カラーコンクリートの普及拡大につながる可能性を秘めているためだ。
カラーコンクリ技術を訴えるワインマール社長 |
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