2015/02/18

【現場の逸品】円滑なBIM活用へ準備作業を大幅削減 支援ツール『AReX』

「自分たちにとっての便利ツールを開発した」と、ビム・アーキテクツ(東京都目黒区)の山際東代表=写真=は強調する。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のコンサルティングから業務受託まで幅広く手掛ける建築設計事務所の同社には、BIM導入の相談が絶えない。最近は「スケッチとプランCADデータを1、2週間でBIM化して提供する」ような仕事が増えている。そのノウハウを集約し、BIM支援ツールとして『AReX』(アレックス)シリーズの販売を始めた。

 AReXシリーズは、オートデスク社BIMソフト『Revit』のアドオンツールとして、設計支援ツールとマネジメントツールで構成している。現在は維持管理段階のツールも開発中だ。設計事務所や建設会社ではBIMの導入機運が高まる中で「最初からBIMを円滑に使いこなせるように、準備作業の手間を極力減らしたい」(山際氏)との思いを込めた。

BIMの導入時には、2次元データと3次元モデルを関連付ける際の手間が意外に多い。通り芯の作成や配置などに時間がかかるほか、集計表を活用できない点も悩みの1つだ。そこで設計時の面倒な面積計算も表計算ソフト「Excel」との連携でワンクリックで対応可能にした。Revitは数値を四捨五入するが、日本では切り捨てで割り出す必要がある。設計支援ツールでは、そうした細かな部分まできっちりと対応させた。
 そして、より合理的にBIMの設計作業が進むように開発したのが、マネジメントツールだ。山際氏は「概算コストの算出まで可能にする」と強調する。モデルのLOD(詳細度)を定義し、そのレベルに応じて数量算出を自動化できるようにしたのだ。構造モデルと仕上げモデルの結合順位を日本の仕様に合わせることで、BIMモデルからの的確なコスト把握も可能にした。一貫構造計算ソフト『SS3』とのデータ連携により、構造モデルも数分で作成できる。
 同社が設計コンペで当選し、現在設計中の松山の結婚式場では、BIMを全面に出した提案が評価の決め手になった。「ここでは、われわれ自身もAReXを活用し、より円滑なBIM活用を実践している」と、山際氏はツールの手応えを口にする。最近はミャンマーの30階建てコンドミニアムについても現地事務所への設計協力を行うなど、BIMを足がかりに本業の設計活動も忙しさを増してきた。
 AREeXシリーズの価格は設計支援ツールが20万円から、マネジメントツールが40万円から。販売はSCSK(東京都江東区)が担当している。
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