2015/02/27

【インタビュー】プロ野球から地盤業界へ トラバース 佐藤隆彦(G・G・佐藤)さん ☆サイン本プレゼント!

建設業界に大物ルーキーがやってきた。埼玉西武ライオンズを中心にパワーヒッターで鳴らし、ヒーローインタビューで「キモティー」と叫ぶマイクパフォーマンスが有名だったG・G・佐藤こと佐藤隆彦氏。2014年10月に引退し、ことし1月には父・克彦氏が社長を務める測量・地質調査・地盤改良業のトラバース(千葉県市川市)に就職した。ユニホームからスーツに着替え営業として日々回る佐藤氏に、入社の経緯や抱負、地盤業界に対する思い、同社が設立した軟式野球部などについて聞いた。

 プロ野球引退後、球界に残るよりも「まったく別のことをしようと思った」と迷いはなかった。「父が作り上げた会社での頑張りや情熱を間近で見てきた。父のような存在になりたい」との思いから、引退から程なくして同社を訪ね、克彦社長に直談判。12月から研修を始め、1月に入社した。
 現在は東京営業所に所属し、都内を始め千葉県内も回る。「新しいところに行った方が面白いし、会社のためにもなる」との考えから、自身が持つ人脈を使い新規開拓に努め、いくつかの案件を受注した。さらに現場は「知らないとすべてがうそになる」ため、必ず足を運ぶようにしている。仕事を覚えながら、「ゆくゆくは測量の資格を取りたい」とも。
 今は勉強の日々だが将来も見据える。「良い監督は選手を動かすのがうまかった。そういうものを参考にしながら、会社でもみんなを引っ張っていけるようになりたい」とし、「やるからにはこの会社を継続・発展させ、トップに立つという思いでやっている。仕事ができるのはもちろん、人格的にも認められ、慕われる存在になりたい」と意気込む。
 地盤業界については、営業に行くと「ぼったくり業者みたいなイメージを持たれる方が多くいた」。特に同社は測量から地盤調査、地盤改良工事まで手掛けるため、「工事をしたいがために地盤改良の必要があると判定していると誤解される」ことがあり、くやしさを感じている。
 ただ、東日本大震災で液状化現象が起きたことで「一般の方も業界に興味を抱き始めた」。悪いイメージを払拭(ふっしょく)するには、今がチャンスだと思っている。
 ハウスメーカーから家を買いたいと言う人が多くいるように「一般の方からあそこに地盤改良をやってほしいと言われるほどに知名度を上げれば、あやしい業界とのイメージを脱することができるのでは」とみる。
 今の座右の銘は「4回戦力外になり野球人生は傾いたが、お客さまの家と人生は傾けさせません」
 また、同社は1月に軟式野球部を設立した。克彦社長からは「負ければボーナス減、勝てば増額と言われている。出来高制のため、こっちも頑張ろうかな」と笑う。
 同社は、数年前から元野球選手を入社させてきた。「現場でも評判が良く、あいさつがしっかりしており、ガッツもある」との理由からだ。
 独立リーグでプレーしていた4、5人に加え、14年シーズンで引退した元プロ野球選手2人も入社するなど、新設チームながら戦力は十分。3月には初試合を予定しており、対戦相手を募集中だ。
 一方で、何度も戦力外となった経験から「プロ選手引退後のセカンドキャリアのシステムがまだまだ確立されていない」と感じている。現役時代はスターでも引退後に苦労している元選手が多くいる。「頑張ったら輝けるんだよという場所を提供したい。将来、引退選手の受け皿となるような会社にしていきたい。そうなれば選手も安心してプレーでき、親御さんや子どもたちも安心する」。今後は「違う角度から」球界に貢献する考えだ。
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 (さとう・たかひこ)01年3月法政大法学部政治学科卒後の同年4月米フィリーズ1A入団。03年のドラフト7巡目で西武ライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)に入団し、04-11年シーズン在籍。12年伊ボローニャ、13、14年千葉ロッテマリーンズを経て引退。通算成績は587試合、打率・276、270打点、88本塁打。身長184cm、趣味はゴルフ。市川市出身、36歳。

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