2015/02/13

【NTTファシ】3D化で歴史的建造物のFM有効性を実証! 

NTTファシリティーズは、2014年夏から進めていた「旧下関電信局電話課庁舎」(現・田中絹代ぶんか館)を3次元モデルデータ化するプロジェクトを完了し、3次元モデルが「ファシリティマネジメントなどに有効だ」とする検証結果をまとめた。今回の経験を「全国に約1万4000件ある歴史的建造物やNTTグループが所有する逓信建築の保存と価値向上に役立てたい」(阿久津好太公共営業部長)と考えている。画像はスキャナー「GLS-2000」で取得した点群データを元にBIMソフト「Revit」で作成した3次元モデル。

 このプロジェクトには、建物所有者の山口県下関市と関連技術を持つトプコン、オートデスクが協力した。建物は1924(大正13)年竣工で、RC一部レンガ造延べ約800㎡。3次元スキャナーで外観から約4500万個、室内で約8700万個の点群データを取得し、電線・電柱などを削除した上で、これを基に3次元CADでモデリングした。

3次元モデルに展示パネルを置き、レイアウトや太陽光を考慮に入れながら展示方法を検討
その結果、田中絹代ぶんか館の企画展示レイアウトの検討、バリアフリー化状況の来館者による事前確認、防犯カメラの死角確認、建物修繕における仮設検討など、建物の運用・維持管理に3次元モデルを有効活用できることを確認した。モデルを公開することによる来館者誘致にも期待している。市が現地で3月29日まで開いている竣工90周年記念特別展や、同館ホームページでもモデルを公開する。
 スキャニングは延べ4日、モデリングは正味1日で完了した。「ビジネスとして成立した場合、安価に提供できる」(阿久津部長)とみている。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【技術裏表】見積もり作成わずか5分! 工務店の営業を支援するK-engineのクラウドサービス 「利用者が1万社に広がれば、業界の動きに発展する」と意気込むのは、工務店やビルダー向けのクラウドサービスを展開するK-engine(東京都新宿区)の金康公彦副社長執行役員。事業開始から約9カ月で、無料トライアルのユーザー数は3000社を超えた。住宅版BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とも称されるが、あくまでも「工務店の設計から受注までを支援することが役割」と、生産性向上に向けた営業支援ツールの位置付けを強調する。  年間… Read More
  • 【長谷工リフォーム】大規模修繕中も洗濯物が乾く! 部分開閉可能な養生シート「楽巻君」 長谷工リフォーム(本社・東京都港区、鹿倉克幸社長)は、マンションの大規模修繕工事で仮設足場に取り付ける養生シートを部分的に開閉できる「楽巻君(らくまきくん)」=写真=を実用化した。工事の作業休日に住戸の通風や採光、眺望を確保でき、試験導入したマンションからも洗濯物の扱いが楽になったことや部屋が明るくなったなどと評価が寄せられているという。今後は、大規模修繕工事で居住者の負担を軽減できるメニューの1つに据え、首都圏を中心に提案を進めていく。 … Read More
  • 【オートドアZero】電気不要の自動ドアを首都圏で9月から発売 有紀 建築資材の製造・販売を手掛ける有紀(本社・福島県会津若松市、橋本保社長)は、電気がいらない自動ドア「オートドアZero(ゼロ)」の販売活動を、9月をめどに首都圏でも始める。電気を使わないため、電気工事も電気代も不要で、停電時でも開閉できる。同社では3年後、首都圏での受注台数600台を目指す。  利用者が踏み台に立った時の体重を利用する「自荷重式自動開閉装置」を採用。7月に特許を取得したことから、首都圏での販売活動に踏み切る。 装置は、上部ユ… Read More
  • 【マルチコプター】鳥瞰撮影も夜間巡回警備も! スタジアム建設現場で大活躍 竹中工務店が大阪府吹田市で施工中の「(仮称)吹田市立スタジアム」の現場で、マルチコプターが活躍している=写真。既に工事記録撮影や現場管理などを行っており、今後も大屋根設置後の管理などを担う。施設完成後の維持管理における使用も検討されている。  マルチコプターは台湾製で、カメラなどのオプションを含む価格は1台約60万円。GPS(全地球測位システム)と4Kカメラを搭載しており、気象条件などに左右されるものの1-2㎞程度の連続航続が可能という。 … Read More
  • 【外壁サイディング】躯体を3Dレーザーで採寸→CAD→CAMでカット→貼るだけ! 建材販売や外壁工事などを手掛ける富国物産(長野市、林隆夫社長)は、戸建て住宅の外壁として使われるサイディングを、躯体施工後に3次元レーザー距離計で採寸して、プレカットする「FBシステムデジタル」=写真=を開発、実用化した。すべて手作業で行っていた工程を、外壁の計測から図面制作、プレカットまで一貫して行える。これまで1週間程度必要だったサイディング工程が、約半分にまで低減できるという。  従来のサイディング工は、住宅の躯体完成後に、巻き尺を使… Read More

0 コメント :

コメントを投稿