2015/02/13

【卒業制作展】建築設計部門で山田綾乃さんが審査員賞 京都工繊大

京都工芸繊維大学の造形工学課程卒業制作展2015が11日から15日まで、京都市中京区の京都文化博物館本館で開かれている。建築部門の設計55作品、論文38作品、意匠(デザイン)部門の34作品、文化部門の7作品を一堂に展示している。大学院の建築設計学専攻第10回修了制作展も15日まで、同博物館別館で開催中。両展とも総合資格学院を運営する総合資格が協賛している。写真は審査員賞の山田さんの模型「ここにあるということ-場の紡ぐ現代美術館」。
 初日には、横内敏人京都造形芸術大副学長、宮本佳明大阪市大工学部教授、デザイナーの大矢隆一氏をゲストに招き、ゲストトークと建築と意匠部門の学生作品講評会が行われた。講評会の審査員もゲスト3氏が務めた。

総合資格の池田氏から副賞を受け取る山田さん
建築部門の設計では、山田綾乃さんの「ここにあるということ-場の紡ぐ現代美術館」、里見春香さんの「記憶を巡る場所」、倉岡泰大さんの「building scape」、石本翔大さんの「地形を編む建築-堰堤を囲む人の居場所」、東琢哉さんの「畏の坂に実る-葡萄と自転車を通じて自然災害に触れる道の駅」の5作品、論文では高田舜さんの「近世期北野天満宮興行空間の研究」を選出。プレゼンテーションの結果、京都都心・鴨川近くの廃校跡に、まちと一体性ある現代アート美術館を提案した山田さんの作品が審査員賞に輝いた。

審査の様子
講評で宮本氏は「やりきれていないランドスケープの提案が多かったが、山田さんの作品は場所の特性を生かしている。学生の卒業制作は志を掲げ、跳べるか跳べないかぎりぎりのバーを設定してほしい」、横内氏は「建築は中に入って空間に包まれる。100分の1の模型がない作品は評価しなかった。山田さんの作品は計画的な説得力と空間的な魅力があり、他作品と比べ群を抜いている」と述べた。
 表彰に移り、総合資格学院京都校の池田雄一学校長が、山田さんと意匠部門で審査員賞受賞の三谷直樹さんに副賞を贈呈した。
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