日本建設機械施工協会(JCMA)と砂子組(本社・北海道奈井江町、砂子邦弘社長)などが12日、札幌市の砂子組札幌本店で、情報化施工に関する意見交換会を行った。建設業の担い手育成を主眼に情報化施工を積極的に取り入れている砂子組と、情報化施工を東北の復興に役立てようと活動しているJCMA復興支援ワーキング(WG)のメンバーが、互いの活動を報告。将来の情報化施工について活発な議論が交わされた。東京、宮城、北海道、新潟などからの参加者は、約40人に上った。
JCMAの情報化施工委員会復興支援ワーキングは、ゼネコン、道路施工会社、建機メーカー、測器メーカー、建機レンタル会社など情報化施工にかかわる民間企業と、土木研究所、技術総合研究所などで組織している。
WGはこれまでに、「チャレンジ工事」として岩手県宮古市で国土交通省東北地方整備局が発注し、刈屋建設(宮古市)が施工する「腹帯地区道路改良工事」に、MC(マシンコントロール)ブルドーザー、MG(マシンガイダンス)バックホウなどを導入・支援した。
また現在は第2弾として、福島県新地町で県が発注し、佐藤工業(福島市)が施工する都市公園の防災緑地土工工事にもMCブルドーザーなどの導入支援を行っている。
一方、砂子組は、情報化施工を単なる生産性改善の手段とは位置付けず、若手社員のやりがい向上や、担い手の育成の面を主眼視し、独自の技術開発を行っている。
意見交換会で砂子社長は「現在の日本で、情報化施工やICTへの取り組みは、地域差や企業間格差があると認識している。今回の意見交換会では、お互いに切磋琢磨して、情報化施工をものづくりに生かしたい」と話した。
JCMAの小櫃基住技師長も「北海道の地域建設業の方々との意見交換会は、非常に意義があると考えている」とあいさつした。
砂子組は、北海道開発局から受注した築堤工事で、堤体の盛土材の撹拌工、運搬工、盛土工にそれぞれ情報化施工を適用しただけでなく、それぞれの工程を綿密にリンクさせ、サイクルを構築し効率を上げた。
情報化施工では、機器の価格が高いため、ある程度の規模の現場でなければコスト効果が出ないといわれているが、砂子組はこの現場で従来工法との比較検証を綿密に行った結果、盛土量が約3万1000m3を超えれば、コスト面でも導入効果が見込めると結論付けた。
近藤里史砂子組常務は、「情報化施工は、クリティカルチェーン全体に導入して効果が出てくる。ほかの地域建設業に情報化施工が浸透しないのは、やはりコストが原因だ。もっと簡単に既存の重機が情報化できれば、現場の技術職が真剣に考えるようになり、結果として人材育成や収益向上につながっていく」と分析する。
同社はほかにも、用水路掘削工事に、セミオートMCのバックホウを導入したことも明らかにした。コマツ製のPC200にMCを搭載し、オペレーターが深さを意識せずに設計どおりの掘削ができるというものだ。従来2、3回必要な床均しが、わずか1回で完了したという。
また、意見交換会には、砂子組の子会社である一二三北路(本社・札幌市、熊谷一男社長)、新潟県の小野組(本社・胎内市、小野貴史社長)も参加した。
熊谷社長は「情報化施工は、効率化よりもむしろ技術者を育てることに意義がある」と述べ、砂子組同様、建設業の永続的な発展に寄与する技術として捉えていることを話した。
小野組は北陸地方整備局から受注した転圧管理システムや、MCブルドーザー・バックホウ、TS(トータルステーション)出来型管理などの取り組み状況を説明したほか、河道掘削工事に導入した3次元測深技術や独自に開発したUAVによる空中写真から簡易測量する技術などを報告した。
参加者は翌日、北海道に本社を置く建機レンタル会社カナモトの情報化施工特機ヤードを見学した後、北海道開発局とJCMA北海道支部が主催する「情報化施工CIMシンポジウム」にも出席した。
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JCMAの情報化施工委員会復興支援ワーキングは、ゼネコン、道路施工会社、建機メーカー、測器メーカー、建機レンタル会社など情報化施工にかかわる民間企業と、土木研究所、技術総合研究所などで組織している。
WGはこれまでに、「チャレンジ工事」として岩手県宮古市で国土交通省東北地方整備局が発注し、刈屋建設(宮古市)が施工する「腹帯地区道路改良工事」に、MC(マシンコントロール)ブルドーザー、MG(マシンガイダンス)バックホウなどを導入・支援した。
また現在は第2弾として、福島県新地町で県が発注し、佐藤工業(福島市)が施工する都市公園の防災緑地土工工事にもMCブルドーザーなどの導入支援を行っている。
一方、砂子組は、情報化施工を単なる生産性改善の手段とは位置付けず、若手社員のやりがい向上や、担い手の育成の面を主眼視し、独自の技術開発を行っている。
意見交換会で砂子社長は「現在の日本で、情報化施工やICTへの取り組みは、地域差や企業間格差があると認識している。今回の意見交換会では、お互いに切磋琢磨して、情報化施工をものづくりに生かしたい」と話した。
JCMAの小櫃基住技師長も「北海道の地域建設業の方々との意見交換会は、非常に意義があると考えている」とあいさつした。
砂子組は、北海道開発局から受注した築堤工事で、堤体の盛土材の撹拌工、運搬工、盛土工にそれぞれ情報化施工を適用しただけでなく、それぞれの工程を綿密にリンクさせ、サイクルを構築し効率を上げた。
情報化施工では、機器の価格が高いため、ある程度の規模の現場でなければコスト効果が出ないといわれているが、砂子組はこの現場で従来工法との比較検証を綿密に行った結果、盛土量が約3万1000m3を超えれば、コスト面でも導入効果が見込めると結論付けた。
近藤里史砂子組常務は、「情報化施工は、クリティカルチェーン全体に導入して効果が出てくる。ほかの地域建設業に情報化施工が浸透しないのは、やはりコストが原因だ。もっと簡単に既存の重機が情報化できれば、現場の技術職が真剣に考えるようになり、結果として人材育成や収益向上につながっていく」と分析する。
モデルを説明する近藤常務 |
また、意見交換会には、砂子組の子会社である一二三北路(本社・札幌市、熊谷一男社長)、新潟県の小野組(本社・胎内市、小野貴史社長)も参加した。
熊谷社長は「情報化施工は、効率化よりもむしろ技術者を育てることに意義がある」と述べ、砂子組同様、建設業の永続的な発展に寄与する技術として捉えていることを話した。
小野組は北陸地方整備局から受注した転圧管理システムや、MCブルドーザー・バックホウ、TS(トータルステーション)出来型管理などの取り組み状況を説明したほか、河道掘削工事に導入した3次元測深技術や独自に開発したUAVによる空中写真から簡易測量する技術などを報告した。
参加者は翌日、北海道に本社を置く建機レンタル会社カナモトの情報化施工特機ヤードを見学した後、北海道開発局とJCMA北海道支部が主催する「情報化施工CIMシンポジウム」にも出席した。
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