2016/01/20

【青木茂建築工房】耐震性向上、内外装と設備一新で蘇る! 東北初のリファイニング建築完成


 東北地方初のリファイニング(再生)建築として、青木茂建築工房(大分市、青木茂代表取締役)が設計・監理を担当した(仮称)佐藤ビルリファイニング工事(仙台市青葉区)が完成した。鉄建が施工した。1969年に同区花京院に建てられた同ビルの規模はRC造5階建て延べ965㎡。東日本大震災で半壊認定を受けた事務所付き賃貸共同住宅を改修し、RC一部S造5階建て延べ1008㎡の賃貸共同住宅として再生した。

 既存不適格建物のため、近隣関係者からの同意や仙台市建築審査会の許可などを得て、大規模な模様替えと増築、用途変更というリファイニング特有の3つの工事種別の確認済み証を取得。
 耐震性能を向上させるために既存施設の一部を撤去して軽量化したほか、内外装と設備のすべてを解体し、スケルトン(骨組み状態)で経年劣化などの個所の補修や耐震補強、内外装および設備を一新した。

東日本大震災で半壊認定を受けた事務所付き共同住宅の改修前

 震災の被害を受けた建物の再生に省CO2対策を取り入れたモデルとして、国土交通省の省CO2先導モデル事業にも採択された。
 15日の完成見学会で、青木代表取締役は、不動産業などの関係者ら約70人の参加者を前に「東北の資材が不足・高騰しており、調達に苦労した」と説明した。その上で、「建物によっては当時の設計書が残っていないこともあるため、設計に当たっては既存施設の予備調査が特に課題となる。既存の床面積を確保しながら建物を再生できる大きなメリットがある」とリファイニング建築の特色を紹介した。
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