東京都文京区が進めてきた、旧熊本藩主細川家ゆかりの区立新江戸川公園集会所「松聲閣(しょうせいかく)」=写真=の改修工事が完了し、16日に開所式が行われた。改修工事の設計施工は清水建設が担当した。
新江戸川公園は細川家の下屋敷庭園跡地で、大正期に建造された松聲閣は一時期、同家の勉強所、居所として使われていた。近年は文京区の区民集会施設として利用されていたが、老朽化と耐震性の問題により2006年度以降は利用を休止。13年度から改修に向けた設計に入り、14年度から工事を進めてきた。改修後の規模は木造2階建て延べ497㎡。工事では2階屋の塗装仕上げの外壁を下見板張りに様式復元したほか、可能な限り既存建材を活用した。総工費は3億6747万円。区ではこのほか、新江戸川公園や周辺道路も一体的に整備する。
細川護煕元首相揮毫の銘板を披露 |
開所式では、文京区の成澤廣修区長が、「周辺道路も含めて今後2年間かけて全体整備を進める」とした上で、「松聲閣を拠点として旧細川家やその周辺の歴史資産を後世に遺していきたい」とあいさつした。来賓として出席した細川護煕元首相も「これからの東京の新しいパワースポットとして、人気を集めるようになればうれしい」と期待を寄せた。その後、細川氏揮毫の銘板が披露された。同区は、15年10月に熊本県、熊本市、新宿区と「文化と歴史を縁とする包括連携覚書」を締結しており、開所式には蒲島郁夫熊本県知事、大西一史熊本市長、吉住健一新宿区長らも出席した。
3期に分けて行う庭園改修工事の第1期は日比谷アメニス、擁壁工事は日本道路が担当している。
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