2016/01/24

【アクス】構想から特許まで5年! 省力化・時短のダメ穴処理に「セルボン」


 アクス(川崎市川崎区、大野拓司代表取締役)が開発したスラブ開口部スライド補強筋BOX「セルボン」が第12回川崎ものづくりブランドの認定商品・技術候補に選ばれた。認定により市から情報発信やPRなど各種支援が受けられる。これを機に大野社長は首都圏中心の事業展開から「全国に販路を拡大したい」と力を込める。写真は復旧した開口部。

 製品化は現場でダメ穴の処理について「やりづらい」との声を度々聞いたことがきっかけとなった。「何か考えられないか」と思案するものの、補強の知識に乏しく、大学教授やゼネコンの技術職員に構造的なアドバイスを受けながら試行錯誤を繰り返し、構想から特許まで約5年をかけて生み出した。

セルボンの全景

 ダメ穴は在来工法だと、型枠製作・設置、開口部周辺の補強、コンクリートの打設、開口部の養生、型枠の撤去、開口部の補強といった工程を経るが、新工法は最初から最終工程で使う鉄筋を可動する状態で組み込んでおり、コンクリートの打設、開口部の養生、スライド鉄筋の結束という作業だけで確実な補強を実現する。
 この結果、仮設開口部の設置に必要な型枠を廃棄することなく、単一工種による施工とともに、工程を省力化して工事日数の大幅な削減を可能にした。当初から補強強度が計算でき、設計や施工監理も簡便になり、養生鋼板を使用することで現場での転落事故防止にも役立つ。
 大野社長は「当初は商品として売れるか心配だった」と振り返るが、民間や官公庁工事を含め、約10年間で10万個以上の販売を成し遂げた。施工者からも好評を得ており、「設置1カ所当たり1万円のトータルメリットが出るはず」と具体的な効果を示す。
 製品には施工者からの要望に応えるため、4つの型式・寸法と重量、8つの対応スラブ厚がある。このほか「構台杭に使いたい」という要望に応えてカスタマイズした製品など、種々の依頼に対応した製品を納入している。
アクス 川崎市川崎区浅田4-6-7。電話044-366-6242、ファクス同6246。
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