新潟県建設産業団体連合会(本間達郎会長)は12日、新潟市中央区の白山神社で、全国でも珍しい「工始祭(たくみはじめさい)」を行った=写真。古式ゆかしい装束をまとった工匠たちが釿(ちょうな)など古来の用具を使い、伝統的な儀式を神前で披露した後、各団体の代表らが玉ぐしをささげ、ことし1年の安全と業界の隆盛を祈願した。
拝殿中央には御木が設えられ、新潟市建築組合連合会の8人の工匠が曲尺、墨指、釿の「三器」などの古来の用具を伝統的作法で扱い、鋸ノ儀(のこぎりのぎ)、墨指し(すみさし)・墨付ノ儀(すみつけのぎ)、釿打ノ儀(ちょうなうちのぎ)、鉋ノ儀(かんなのぎ)、槌打ノ儀(つちうちのぎ)の順に、荘厳な動作で古式に則って儀式を進め、越後工匠の気迫を披露した。
祭事終了後には、北陸地方整備局の藤山秀章局長があいさつし、「現場の安全管理を含め、担い手の確保・育成に資する取り組みをことしも進めていきたい」と述べた。
続いて、直会(なおらい)へと移った。席上、本間会長は事業量の大幅な落ち込み、杭データの改ざんなど建設産業の2015年を振り返りながら、2年目を迎えた改正品確法(公共工事品質確保促進法)の運用指針に触れ、「適正な予定価格、適切な設計変更がより一層徹底されれば、地域建設企業は5-10年先を見据えた経営戦略を打ち出すことができる」と力を込めた。
また、ものづくり産業の基盤は人づくりだとし、「安全教育を徹底し、若年者が安心して働ける労働環境も構築しなければならない」と加えた。
来賓として、新潟県土木部長と新潟労働局長が祝辞を寄せ、列席者全員で乾杯した。
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