青木あすなろ建設は、遠隔操縦式水陸両用機械を使った海岸保全施設復旧工法を開発した。作業船や陸上機械が入れない浅海域で作業可能なため、海岸の陸上部から沖合の施工場所を結ぶ仮設道路が不要で、潜水士も配置せずに済み、省資源化、省人化に寄与。東北地方太平洋沖地震の津波で被災した離岸堤の復旧工事に初適用して順調に成果を上げている。
この工法は、新たに開発した遠隔操縦式水陸両用バックホウと、以前から保有する遠隔操縦式水陸両用ブルドーザーを組み合わせ、浅海域で消波ブロックの運搬・据え付けなどを行う技術。遠隔操縦式水陸両用ブルドーザーのバケットを皿状の運搬用に換え、その上に消波ブロックを載せて沖合の施工場所で待機する遠隔操縦式水陸両用バックホウまで運び、その消波ブロックを遠隔操縦式水陸両用バックホウが把持装置で受け取り、施工場所に据え付ける。
在来工法では、満潮位から1m上の高さに石材を使って仮設道路をつくった後、その上からラフタークレーンで消波ブロックをつり上げ、据え付けていた。遠隔操縦式水陸両用機械を使った工法では不要となるため、石材の使用を抑えることができ、省資源化につながる。また、クレーンから消波ブロックを外す際の潜水士が要らないため、省人化にも寄与する。
初適用した現場は、東北建設が施工を進める福島県発注の「公共災害復旧(再復)工事(海岸)角部内離岸堤工事その1、その2」で、南相馬市角部内地内の離岸堤5基のうち、2基を青木あすなろ建設が下請けとして復旧作業を進めている。工期は2015年10月14日から16年3月31日まで。
昨年6月に完成した遠隔操作式水陸両用バックホウは、水深2mまで対応し、8tのブロックを持ち上げることができる。現場は波が高く、安全性を考え、搭乗による操作を行っていたが、カメラを搭載すれば陸上からの遠隔操作が可能で、潜水士も不要なため、今後は福島県広野町など福島第一原発近くの海域での復旧工事に積極的に提案していく。
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