宮城県気仙沼市が主産業である水産業の復興と活性化に向けて整備する(仮称)市魚市場CD棟・E棟の起工式が7日、現地で行われた。3月にも着工し、2017年3月の完成を目指す。設計はユニバァサル設計、施工(建築・設備一括)は大成建設・小野良組JVが担当する。
東日本大震災の津波で被災した魚市場のうち、北側のAとB棟は、14年度に復旧が完了した。今回は残る南側のCD棟を再建するとともに、新たにE棟を建設する。ともに高度衛生管理に対応する次世代型魚市場として整備する。
規模は、CD棟がPCaPC(プレキャスト・プレストレストコンクリート)造2階建て延べ1万7878㎡。1階には荷さばき所や入札室、低温売場など、2階にはクッキングスタジオや事務所などを設ける。E棟は同造3階建て延べ1万0143㎡。1階は荷さばき所、2-3階には見学デッキや機械室などを備える。あわせてトラックヤード(7000㎡)も整備する。
高度衛生管理に対応する次世代型魚市場となる(仮称)市魚市場 |
神事には、菅原茂市長、近藤昭二大成建設常務執行役員東北支店長、小野進小野良組社長、西倉哲夫ユニバァサル設計代表取締役ら約100人が出席。代表者が神前に玉ぐしをささげた後、鍬(くわ)入れを行い、工事の安全を祈願した。
あいさつに立った菅原市長は「魚市場が完成すれば、国内トップクラスの鮮度・衛生面を確保する施設となる。全国の漁船がこぞって、目指してくれるような市場にしたい」と期待を寄せた。
これを受けて近藤支店長は「本工事に対する期待を一身に受け止め、持てる技術と英知を結集して施工に当たり、必ずやご満足いただける建物を無事故・無災害で早期に完成させる」と決意を述べた。
阿部努作業所長(大成建設)の話「岸壁近くまで工事を行うので、湾内への油の流出や資材の飛散などに留意し、市場の運営に支障を与えないように配慮する。最大50tにも及ぶ部材を扱うので、災害防止を徹底しながら工期内に高品質に仕上げたい」
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