埼玉県建設業協会(真下恵司会長)と、ものつくり大学(稲永忍学長)は19日、埼玉県行田市の同大学で2015年に引き続き意見交換会を開いた=写真。学生を交えての意見交換は今回が初めて。埼玉県の関連部局職員や県内工業高校関係者、埼玉県電業協会役員らも参加した。大学が就職の動向、協会が業界の現状と処遇改善の取り組みなどを説明した。建協会員の古郡建設と島村工業が工事事例を紹介した。「より魅力ある建設産業にするためには」をテーマにそれぞれの立場から担い手の問題で意見を交わした。
冒頭、赤松明技能工芸学部長は「人口は少なくなるが人材は必要になってくる」と述べ、「就職に際しては企業の協力は絶対的に必要で、建設学科は特に重要になる」と力を込め、協会側と連携する考えを示した。
建協の島田松夫副会長は、同大の実践教育に感銘を受けていることや自身の会社で活躍している同大出身者などの話を学生に伝え、「施工技術を紹介するので、興味を持っていただきたい。いま業界は官民一体となって労働者の処遇改善に向けて大きく動き出している」と強調した。
大学は15年3月卒業生の就職動向として民間を希望した建設学科生73人のうち、県内建設企業への就職が9人(対象8社)だったと説明した。協会は公共工事の労務単価の引き上げなどの取り組みを紹介した。女性の活躍などを促す制度の動向について大学から質問があり、県は県内企業を対象とする多様な働き方の認定制度や合同説明会などの取り組みを伝えた。
工事事例の紹介では、古郡建設の森健一建築部工事長と同大6期卒業生の織茂剛建築部工事担当が「鉄骨とRCの複合構造施工」、島村工業の坂本淳土木工事部作業所長と2015年入社の梅澤匡史土木工事部担当が「木橋における杉丸太脚の杭木打込み工の施工管理」を発表した。
意見交換後、参加した3年生の女子学生は「大学選びの段階から建設関係の仕事をやりたいと決めていた。不安はあるが今は就職に向けて、精一杯がんばりたい」と語っていた。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら
0 コメント :
コメントを投稿