大阪府は15日、大阪市天王寺区のクレオ大阪中央でシンポジウム「ストックを活用した下水道の将来展望」を開いた。流域下水道の事業着手50年に当たることから企画したもので、記念講演やパネルディスカッションなどが行われた。
冒頭、主催者を代表し大阪府の松井一郎知事が「きょうのシンポジウムが下水道をより身近に感じるきっかけとなり、その重要性について理解を深めることにつながれば幸いだ」とあいさつした。また、記念事業の一環で募集した新しいマンホールふたデザインの審査結果を発表。田中聰さん(大阪市在住)の案が、最優秀作品に選ばれた。
国土交通省水管理・国土保全局の塩路勝久下水道部長が「これまでの50年とこれからの下水道の展開」と題し講演した。塩路部長は今後の下水道事業の課題解決のかぎとして「技術開発、組織体制、地域での対応、下水道界のステイタス向上」という4つの視点を提示した。締めくくりに当たり昨年2月、社会整備審議会河川分科会がまとめた答申に盛り込まれた「迫り来る危機を直視せよ/下水道の潜在力を発揮せよ/総力を結集して挑め」という言葉を引用し、今後も下水道事業に積極的に取り組む姿勢を強調した。
このほか大阪府都市整備部の長谷川明巧下水道室長が、流域下水道50年の歩みを報告。また津野洋大阪産業大教授をコーディネーターに迎え、塩路部長や下水道事業関係者らを交えたパネルディスカッションもあった。
大阪府は1965年、全国で初となる寝屋川流域下水道の事業に着手。現在は7流域12処理区で下水道事業を展開している。
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