【大成建設】移動昇降可能な作業床で安全・短期に煙突を解体！ 「テコレップ・スタック」

　大成建設は、優れた安全性と大幅な工期短縮を両立する煙突解体工法「テコレップ・スタック」を開発し、横浜市内の現場に初適用して有効性を実証した＝写真。煙突の周囲を取り囲むように移動昇降可能な作業床を設置することで作業性を向上させ、足場と煙突の隙間に独自の養生方法を採用して細かいはつりがらの落下も防ぐ。従来の足場に比べて使用資材が少なく、組み立てや解体が容易なため工期を大幅に短縮する。また、設置コストも枠組み足場に比べて、4割程度低減できる。

　テコレップ・スタックは、超高層建物の閉鎖型解体工法として実績がある「テコレップ・システム」の派生工法として考案。解体壁面部の周囲に昇降式足場から仮設桁を張り出して鋼製足場板を覆工した作業床を設置することで作業性を高める。解体用の資機材を乗せたまま昇降できるため、人手で高所運搬する労力が省けるほか、人力運搬に伴う資機材の落下リスクも低減できる。
　初適用した昭和電工横浜事業所煙突解体工事では、高さ約80m、下部直径約7mの煙突に近接する稼働中設備への影響を最小限に抑える必要があったことから、新たな解体工法で施工した。エフレックス管とシートを組み合わせた独自の養生方法を採用し、曲面の解体壁面と作業床の隙間を埋めることで、細かいはつりがらの落下も防止するなど、安全な施工を実現した。
　また、壁面を約1m四方のブロックに分割・切断して、煙突内部に落下させる「ブロック式はつり・筒内落下方式」を採用し、振動や騒音も抑制した。
　昇降式の作業床は、煙突を挟み込む形で設置した2本の支柱に沿って昇降する。高さ約80mの高さから数分で地上付近に到達することができるため、強風時などの撤収作業も迅速化できるといったメリットもある。
　初適用した現場では、吊り上げ荷重25tクラスのクレーンを使った場合、従来型の枠組み足場で1カ月半かかる組み立て期間を10日程度に短縮し、全体工期の短縮に貢献した。
　今後は、煙突の解体工事のほか、橋脚やタンクなどの外周点検や維持補修工事への適用も積極的に提案していく。
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