2015/10/21

【モリタ宮田工業】茅ヶ崎市特別仕様! 自動消火装置に音声・フラッシュ警報機能追加


 モリタ宮田工業(神奈川県茅ヶ崎市)と茅ヶ崎市は、今後の超高齢化社会の到来を見据え、住宅用などへの普及を目的とした自動消火装置「スプリネックスミニ茅ヶ崎市特別仕様」を開発した。他都市と比べ木造住宅が多い同市は火災の延焼リスクが高いことから、さらなる『安全・安心の防災まちづくり』が課題となっており、電源工事不要の自動消火機能を持つ既存製品に音声・フラッシュ警報機能を付加した製品の普及で、市民の意識を啓発する。

 スプリネックスミニの販売は2011年で、同機のベースモデルに当たるスプリネックスの開発の契機は87年までさかのぼる。同年に東京都東村山市で発生した特別養護老人ホームの火災を教訓にスプリンクラー設備の代替として考案した。スプリンクラー設備と同等以上の性能を持つパッケージ型自動消火設備で、簡単な施工性や停電時でも作動する機能を持つほか、火災発生を素早く感知して消火するなどの機能が認められ、現在では病院、福祉施設、マンションなど幅広く利用されている。
 その後、同機種の持つ長所を最大限受け継ぎ、住宅用下方放出型自動消火装置として「スプリネックスミニ」を開発した。優れた感知スピードや消火性能などの機能はそのままに、20cm四方の床スペースに設置できる省スペース設計の製品にデザインした。さらに10年間耐用できるリチウム電池を内蔵することで、電源工事を不要とし、配管工事も簡単で誰もが簡単に取り付けられるようにした。
 今回、同社と市が共同開発したスプリネックスミニは、音声・フラッシュ警報機能を付加した特別仕様となる。火災事故による年齢別の死亡者数は、65歳以上が約6割を占める。時間別の死亡者発生状況では、深夜の寝室(就寝中)での発生が多くを占めているという。このような現状で将来を見据えると超高齢化社会の到来や首都直下地震の発生などが想定されており、さらなる安全・安心のまちづくりの実現に向け、自力避難困難者などにも配慮した機能を追加した。
 共同開発製品は、市が地域の火災対策を支援する「防災まちぢから応援ツール」として採用されている。15年度は市内のモデル地区で同ツールの試行を実施しており、効果など検証する予定だ。16年度以降に検証結果をもとに全市への展開を見込んでおり、「防災都市のトップランナー」を目指す。
 モリタ宮田工業(東京本社) 東京都港区芝2-5-6。電話03-3798-5120。
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