登場するのは佐藤総合計画に所属する建築家の鳴海雅人氏、渡辺猛氏、牛込具之氏、吉田朋史氏、大橋秀允氏、高瀬真人氏の6人。それぞれの立場、経験から図書館建築が担うべき社会的役割、機能、設計者の責任を語っている。
その中でひときわ異彩を放つのは、高瀬氏が執筆した「Zoobrary」の章。建築のプランや図書館のスケッチではなく、動物のスケッチと詩のような短文で図書館のあるべき姿を記述している。この章だけ取り出せば、動物と建築をテーマにした絵本のようだ。一見すると図書館とは無関係のようだが、最後まで読み通せばこの奇妙な動物園が生まれた理由が分かる。建築を語る言葉との間に避けようもなく広がる断絶は、こうした思考の枠を外す取り組みから少しずつ埋められるのかもしれない。
(建築ジャーナル・1200円)
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