2014/12/10

【働きかた】「やれるところまでやってみよう」で復職 東鉄工業の秋澤智子さん


マンションの意匠設計を主に担当。東鉄工業の女性管理職2人のうちの1人であり、5歳の男の子の母親として育児と仕事を両立させている。
 育児休暇で約2年職場を離れてから復職した。「仕事だけでなく子育てもあり、これまでのように好き勝手に働けない部分はある」が、周囲や家族の協力もあり仕事も育児も充実している。

 結婚、出産を機に辞職する女性職員も過去にはいた。自身も悩んだが、「長く働いているので、とりあえずやれるところまでやってみる」という思いで復職を決意。「正直、辞めようと思ったこともある」と当時は葛藤していたが、「続けて当然」という職場の空気にも後押しされた。
 約20人が在籍するエンジニアリング部では唯一の女性。職員も高齢化が進んでおり、女性も含めた若手の育成が課題になっている。
 入社当初は資格もない女性が打ち合わせに行くと、「一歩引かれる感じもあった」が、社会の流れも良い方向に向かっており、女性技術職が働く環境は改善しつつある。「女性だからということはなく、やる気があれば活躍できる」。後続の職員に力強くメッセージを贈る。これまで多くの物件を設計してきたが、10年以上前に携わったマンションが大きなターニングポイントになった。「初めての大規模で、期限も厳しく、施主からの要求も膨大だったが、そこを超えたからいまがある」と振り返る。
 悪いことが重なり、心が折れそうになることもあるが「1個ずつ良い方向にもっていく」しかない。「足場がばれて建物の全景が見えた時や、そこに住む人が喜んでくれた時、感謝の言葉をもらえた時が一番うれしい」。苦境を乗り越えた先の喜びが、やりがいにつながっている。
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