2014/12/25

【働きかた】「自分の名前で入札」「家庭と仕事の両立」が目標 日本道路・前田紫帆さん

  勉強の過程で、スケールが大きく公共性の高い土木の世界に興味を惹かれていった。「メンテナンスの時代が来て、道路の仕事は重要度が増す」と思い、この道を選んだ。
 「もともと外で体を動かすのが好き」な性格だが、大学時代は地盤研究室で「パソコンとにらめっこ」の日々を送る。室内作業から解放された現場の仕事は「単純に楽しい」と笑顔を見せる。

 現場に出て5年目。既に2つの工事で現場代理人を務めた。一級土木施工管理技士の資格も近く取得できる見通しで、「自分の名前で入札できるようになる」のが目下の目標だ。大学時代にコンクリートの研究室に行きたかったが念願叶わず、志望動機にも書いたコンクリート舗装の仕事にも「ゆくゆくはチャレンジしたい」と意気込む。
 入社して最初の現場が東名高速道路足柄サービスエリアの駐車場改良工事。「父親くらいの年齢の作業員に助けてもらった部分が多かった」と振り返る。「工事担当者として現場での段取りをメーンでやっていた」という2年前の名古屋高速道路港明工区舗装工事は最も印象に残る工事だ。「きれいになった道路を見た時には達成感がある」とやりがいを感じている。
 高校、大学時代はラグビー部のマネージャーだったため、“男所帯”に抵抗はないが、ちょっとした言葉遣い一つで傷ついたこともあった。建設業での女性活躍に向けた社会的な動きを受け、社内的にも「守られている感じはある」が、「現場は体制がまだ整っていない。そこに入ってくる女性はそれなりの覚悟が必要」というのが実感だ。
 自らの名前での入札のほか、「結婚しても、育児をしながら現場で働き続ける」ことも大きな目標だ。仕事、家庭とも充実させ、「両立の手本」を目指す。
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