2016/05/09

【日建連】河川と解体修復を追加! 2016年度版 『施工CIM事例集』、HPで公開


 日本建設業連合会のインフラ再生委員会(柿谷達雄委員長)は、会員の施工段階におけるCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入事例を掲載した『施工CIM事例集』の2016年度版を作成した。新たに河川と解体修復の分野を加え、25社48事例を掲載した。日建連のホームページで公開している。

 事例集は、ダムやトンネル、シールドなど10分野について、会員が実際にCIMを導入した事例を集めた。初めて作成した15年度は、インフラ再生委員会技術部会の会員だけから事例を募集したが、今回はインフラ再生委員会の45社全社に呼び掛け、応募した25社の各1-3件の事例を掲載した。
 前年度と同様、トンネルや土工、橋梁の分野での事例が多い。前回は事例がなかった河川分野で1件、解体修復分野で3件それぞれ掲載した。各事例とも、施工管理や施工計画、三者協議、発注者協議、設計照査など、CIMを活用した段階を明記し、活用内容 や効果、運用体制、使用ソフト、課題などを記載している。
 CIMの活用が徐々に広がる中で、効果が高い活用方法の理解促進や利用する技術者の育成が課題として多く上がっている。
 特に、施工から維持管理にデータを渡す際に、必要なデータと不必要なデータに対する統一的な考え方がないことが今後の重点課題とされており、国土交通省や日本建設情報総合センター(JACIC)による「CIM導入ガイドライン」の早期策定に期待が高まっている。


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