2016/05/12

【本】基本的な考え方やポイントやさしく解説 山浦晋弘著『直感で理解する構造設計の基本』


 構造設計で本当に大切なこととは--。安井建築設計事務所の大阪事務所構造部長を務める山浦晋弘氏が、構造設計の基本的な考え方やポイントをやさしく解説した本を出版した=写真。

 長年の設計実務に加え、母校・大阪市大で非常勤講師を務めてきた経験に基づき「おさえておくべき項目や設計上の盲点」についてできるだけ数式を用いず、平易な言葉で説明することを心がけた。また「力の流れを読む」「バランス感覚」といった、構造設計者としての心得も説く。
 同書は、日本建築協会の企画としてスタート。企画書作成から原稿執筆、表紙イラストや挿絵なども自身で手がけ、約1年半で出版にこぎつけた。主に「建築を学ぶ学生、あるいは入社5年以内で仕事を覚えつつある若手設計者」に向けて書かれているが、意外なところからも反響があった。「50歳代以上とおぼしき男性の設計者から、長年疑問に思っていたことが理解できたとお礼の電話をもらった」と笑顔で話す。
 あとがきに「大事なことは時々パソコンのモニターから視線をはずして想像すること、そして構造力学に基づいた直感力を養うこと」と記した。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及が進む中、建築を「モデル化する」構造設計者の役割と重要性は今後も変わらない、と強調する。「構造設計って面白いと感じてもらえたらうれしい」とも。
 『直感で理解する構造設計の基本』はA5判216ページ、発行は学芸出版社。価格は2400円(税別)。
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