2016/05/27

【熊谷組】樋口靖社長、2年かけ40代社員延べ150人と意見交換 人事制度などに迅速反映


 熊谷組の樋口靖社長が、40代前半の社員との意見交換を始めてから約2年が経過し、25日に最終回を迎えた。これまで月2回ペースで、延べ約150人と意見を交わしてきた。その成果は、「なるべくスピーディーに対応してきたつもりだ」(樋口社長)と言うとおり、人事制度などに色濃く反映されている。今後、30代社員との意見交換も実施したい考えだ。

 この意見交換会は「全員参加の経営」を目指す樋口社長の肝いりで2年前にスタートした。5年後、10年後に熊谷組の中心となって活躍する世代をターゲットとしている。それぞれ異なる部署から10人程度の社員が参加し、会社の将来像や業務改善提案などを中心に自らの考えを発表する。それぞれの意見に対して樋口社長がコメントを返す形式で議論が進む。
 「稚拙な意見でもいい。5分間で話すことも訓練だ。上手くなくてもいい。練習だ」と樋口社長は率直な意見を求める。おかげで手厳しい意見が容赦なく出る。25日の最終回では、グループ会社に出向中の社員から「グループ会社に対して横柄な態度をとる本社の若手がいる。現場の協力会社に対しても同じスタンスなのか。精神・心の教育が必要ではないか」と耳の痛い指摘も出た。
 意見交換後は社長室で酒を酌み交わしながら、さらにざっくばらんな意見を交わす。「会社や業界の言っていることにあまり引っ張られてほしくない。トップダウンの言いなりでは自ら考える必要がなくなり、環境が変化した時に柔軟に対応できなくなる」と、樋口社長も本音で向き合う。「自分たちの将来を自ら考えることが重要だ。議論し、意見がぶつかり合うことで次のステップに進むエネルギーが生まれる」
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿