2016/05/31

【関東・東北豪雨災害】鬼怒川決壊個所の復旧堤防完成 見学会で地元住民と団結深まる


 昨年9月の関東・東北豪雨で決壊した鬼怒川の本復旧堤防が完成し、29日、地元住民にお披露目された。茨城県常総市三坂町上三坂地区の約200mにわたって決壊した堤防の本復旧工事は、国土交通省関東地方整備局が1月からの事前調査や準備工事を経て3月から堤体盛土などに本格着手した。施工は上流工区を鹿島、下流工区は大成建設が担当。徹底した品質管理、安全管理のもと、約5カ月で完成させた。
 関東地方整備局は、2015年9月の関東東北豪雨に伴う鬼怒川決壊個所(茨城県常総市三坂町上三坂地区、長さ約200m)の本復旧堤防を完成させ、29日に地元住民を対象に見学会を開いた。完成により、施工を担当する鹿島(上流工区、約100m)と大成建設(下流工区、同)の本復旧工事は後片付けや事後調査の後、6月に完了する予定だ。
 本復旧工事では、1月から準備、事前調査、工事用道路整備、荒締切堤撤去を進め、3月に堤体盛土など堤防復旧に本格着手した。材料となった3種混合土(砂、粘性土、礫質土)の品質管理を徹底し、約5カ月の短工期で堤防を復旧した。


 的確・確実に工事が進んでいることを地元住民に周知するため、工事の段階ごとに見学会を開催した。
 4回目となった今回の見学会の中で、同局下館河川事務所鎌庭出張所の淺野貴浩所長は、約8000人の作業員が従事し、無事故で完了した堤防復旧の経過などを振り返った。
 鹿島の上田哲也所長は関東支店最年少の所長として現場を指揮した。地元住民に対し、「前回の見学会で連節ブロックにいただいたメッセージサインの中に『強い堤防をありがとう』との言葉があり、少しでもお役に立てることができたと思い、本当に良かった」と感慨を込めた。

地元住民らに感謝の言葉を掛ける上田所長(左端)、中田所長(中央)ら施工陣

 大成建設の中田愼一所長は短期集中の工事に携わり、「貴重な経験をさせていただいた。施工中、皆さまから『頑張って』とあたたかい言葉を掛けていただき、本当に励みになった。今回の見学会でも声を掛けていただき、感激もひとしお」と感謝の意を示した。
 今回の堤防完成は、鬼怒川下流域を対象に、国と茨城県など被災自治体が一体となり、ハード・ソフト対策を進める「鬼怒川緊急対策プロジェクト」を推進する上で大きな弾みとなる。
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