衛星測量で利用するGNSS補正情報配信会社のジェノバ(本社・東京都千代田区、細谷素之社長)は26日から、国土交通省が進めるi-Construction(アイ・コンストラクション)への対応として、同社が提供するGNSS補正情報の配信に使う電子基準点数を倍増する。国の“アイ・コン”施策により今後、直轄工事ではICT(情報通信技術)土工が全面展開されるが、こうした工事で利用増加が見込まれるネットワーク型GNSSサービスの精度を高める。同社の細谷社長は「精度をより確保するために、密度を増やして対応することにした」と話す。画像は電子基準点を倍増した状態
同社が提供しているのは、情報化施工で使われるネットワーク型RTK測位(VRS)に使う補正情報だ。カーナビのように測位衛星から直接読み取った重機の位置は、誤差が数メートル単位で発生するが、同社の補正情報をインターネットなどの通信インフラ経由で取り込むと、その誤差が数センチまで減らせる。
情報化施工には、ブルドーザーやバックホウに衛星アンテナを搭載して、設計図面データと照合しながら自動、半自動で施工できる「マシンコントロール」という技術がある。国のアイ・コンストラクションでも、施工段階で活用が推奨されている。また現場での出来形確認にもこうした技術の適用が期待されている。
450点での基準点網 |
補正情報は、国土地理院が全国に約1300点設置している電子基準点から得られる観測データから生成しているが、ジェノバは、これまで650点程度だった観測用の電子基準点数を、日本にあるほぼすべての1300点から収集する体制を整えた。また情報を送り出す配信サーバーも冗長化して、メンテナンスで停止する時間を極力少なくする。
補正情報を配信する会社は日本に3社存在するが、「電子基準点に採用されている受信機メーカーにかかわらず解析が可能な体制をとっており、日本で一番基準点数が多いデータを配信できるようになる」(細谷社長)という。
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