2016/05/13

【建築課題合同作品展】最優秀は濱家茉莉さん(関大)の「家族になれる家」 “建築観”表す作品テーマ


 毎年2月に開催されている関西の建築系学生卒業制作展「Diploma×KYOTO」のスピンオフ企画、「建築課題合同作品展NEXTA’16」が3日から8日まで、大阪市西区の大阪府立江之子島文化芸術創造センターで開かれた。8回目となる今回は3、4回生67人が参加。7日の公開審査会で、最優秀賞に濱家茉莉さん(関大3回生)=写真=の作品「家族になれる家」が輝いた。総合資格が特別協賛した。

 今回のテーマは「覗き見」。大学の垣根を越えて集まったメンバーの建築観、審査員の建築への想いを覗き見るという意味が込められた。公開審査会では建築家の島田陽、前田圭介、大西麻貴、構造家の満田衛資の4氏が審査員を務めた。1次審査で選抜された8作品のプレゼンテーションが行われ、審査員の議論の結果、各賞を決定した。
 最優秀の濱家さんの「家族になれる家」は、母親の再婚という状況に、新しい家族をどのようにしたら受け止められるかという切実さを、空間構成として解いた。
 「家族がどうすれば仲良くなれるかということに特化しているが、敷地の段差などをうまく使いながら計画が破たんしていない。設計の力も密度もある」(島田氏)と全員一致で最優秀に選ばれた。濱家さんは「夢にも思っていなかったので、とてもうれしい。設計に自信がなくなっていたが、設計を続けていこうと思う」と受賞の喜びを語った。

ファイナリストと審査員で記念撮影

 優秀賞は、森下啓太朗さん(近大)の「柔らかな量塊」。住宅街の中に小さなスケールを持った大学のサテライトキャンパスを“挿入”し、大学生と地域住民が共同体として風景を共有する提案が評価された。
 審査員賞は、島田賞が松原元さん(関西学院大)の「zawazawa」、満田賞が阿部彩音さん(大阪工大)の「浮舟」、前田賞が立石愛理紗さん(大阪市大)の「Line」、大西賞が森本実弥さん(神戸芸工大)の「キョリ×カタチ」に贈られた。
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