◆北陸地方整備局 「7.11水害」の教訓を継承
北陸地方整備局と新潟県、糸魚川市、関川・姫川水防連絡会は21日、同市寺島地先の姫川右岸河川敷で「姫川・関川総合水防演習」を実施した。消防本部・水防団、県警、自衛隊などを含め、計1300人が参加。1995年に発生した「7.11水害」の記憶を後世に継承し、今後の有事に備えるため、防災、水防意識の高揚と活動体制の強化を図った。写真は開会式
開会式では、国土交通省水管理・国土保全局の野村正史次長が演習の名誉総裁である石井啓一国交相のメッセージを代読。水防災意識社会の再構築に向け、「水防活動と河川整備は車の両輪と言われており、国交省としては国民の生命、財産を守るため、災害現場の第一線にいる皆さまとの一層の連携に取り組んでいく」と伝えた。
総裁の藤山秀章北陸整備局長も「(今回の演習を)防災意識の啓発だけでなく、水防活動の重要性を再認識をする契機とし、地域社会が一体となった地域防災力の強化につなげたい」と述べた。
統裁の泉田裕彦県知事(代理)のあいさつ、演習本部長の美寺寿人県土木部長の訓辞に続き、演習へと移った。
梅雨前線の停滞による豪雨で姫川の山本観測所の水位が上昇し、氾濫注意水位が段階的に高まっていく(レベル2-4)との想定の下、タイムラインに基づく実践的な訓練を展開。堤防が決壊した場合に備え、ライフラインの復旧活動、救難救助も行った。
川倉工などを実施 |
工法演習では北陸地方防災エキスパートの指導に基づき、地元水防団が川倉工、シート張り工、T型マット工、木流し工、月の輪工、立蛇籠工を実施した。
また、会場内には物産・パネル、車両展示コーナーを設置。土石流や地震、豪雨の体験コーナーにも多くの地域住民が足を運んでいた。
◆四国地方整備局 土器川で総合水防演習
あいさつする山本副大臣 |
四国地方整備局や香川県、丸亀市などの県下市町が主催する「平成28年度土器川総合水防演習」が22日、丸亀市の土器川左岸生物公園前河川敷で開催された。行政機関や香川県建設業協会など建設業関係者、警察や消防、陸上自衛隊、企業、住民ら約2000人が参加し、本番さながらの訓練を行った。四国クリエイト協会や日刊建設通信新聞社四国支局などが後援した。
土器川での洪水を想定し、関係機関と地域住民の水防活動の普及啓発を図ることを目的に開いた。大規模災害に備え、多様な組織による総合的な水防演習の開催は、土器川で初めてとなった。
冒頭、四国整備局の石橋良啓局長の開会の辞に続き、山本順三国土交通副大臣や浜田恵造香川県知事も、あいさつの中で、水防技術の向上の重要性を訴えた。
バックホウで大型土のうを作る |
演習では、香川県建設業協会の会員企業が、バックホウによる大型土のう作りを行った。このほか、法くずれ対策工や、台風接近に備えた漏水・決壊・亀裂対策工、越水対策工などの水防工法訓練や、TEC-FORCE(テックフォース=緊急災害対策派遣隊)の派遣訓練、緊急対策工、孤立者の救助や被災者の搬送、救援物資の輸送などの訓練を行った。土石流3Dシアター体験や地震体験、降雨体験も多くの人でにぎわった。
◆近畿地方整備局
近畿地方整備局と大阪府、大阪市は21日、大阪市旭区の淀川左岸河川敷で2016年度大阪府地域防災総合演習を実施した。27の機関・団体が参加、「大規模災害に立ち向かえ!」をテーマに土のうづくりや情報伝達訓練など、堤防の漏水・越水を想定した実践的な水防活動訓練を実施した。行政や企業による防災パネル展も行われた。
27機関・団体が参加 |
松井一郎大阪府知事、吉村洋文大阪市長があいさつした後、訓練の統監となる山田邦博近畿地方整備局長が、「昔は洪水と背中合わせで逃げることを普段から心掛けていた。国土交通省では昨年の鬼怒川堤防の被災を踏まえ、水防災意識社会の再構築を目指し施策を展開している。河川整備と水防活動は車の両輪と言える。いろいろな機関と連携し、安全で安心な地域社会づくりを進めていきたい」と述べた。
演習では、台風発生による局地的な大雨で、淀川左岸の大阪市旭区大宮付近で氾濫が発生したと想定。大雨洪水警報発令後に準備工となる土のうづくりや、洗掘、越水、漏水などに対する各対策工が行われた。
応急復旧工では、大阪建設業協会がクレーンを使って大型土のうを準備し、法崩れ対策をした。
また、今回の演習では、地元から常翔学園の学生と職員ら130人が参加、防災エキスパートの指導のもと、土のうづくりや簡易トイレの組み立て体験を実施した。地元の大宮、中宮地域を中心とした旭区民による自主避難訓練も行われた。
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