2016/11/14

【潜入ルポ】めくるめくイスの世界! コトブキシーティング株式会社のショールーム拝見


びるるん!生活するのになくてはならない「イス」。おうちにあるイス、職場にあるイス、電車のイス…いろんなイスがあるけれど、映画館やスタジアム、学校などのためにイスを作っているのがコトブキシーティング株式会社さん。6月に『学校建築とイス』を出版され、いろんな「学校のイス」をステキな写真で紹介してくださっています(書評はこちら)。いろんなイスに興味津々となったびるるん、本社のショールームを見せてもらいました!
 ■映画館のイス

撮影:村田雄彦

まずは1階の映画館座席。ちゃんとスクリーンがあって鑑賞スタイルで体験できます。


最近はVIP席を置く映画館もあるし、こんなカップル席もあるんだね…びるるんは、今のところそのように使うことはないんだけど(泣)。


いや、そんな席よりこっち。このふかふかで電動リクライニングのイスでワイン飲みながら…うふふ、何を観ようかな。




この鮮やかな赤いイスはフランス製。コトブキシーティングは世界中でいろんなイスを作っているんだよ。


そうそう、映画館で「これってコトブキシーたんのイスかな?」と思ったら、肘掛けの根元付近をチェック!こんな風に書いてあります。古いタイプだとドリンクホルダーの中に書いてあることも。

■ヒストリー・コーナー
 
撮影:村田雄彦

次は歴史を刻むさまざまな劇場や施設のイス。これはサントリーホールの座席。ヴィンヤード(ぶとう畑)形式のホールにちなんでシートの柄にぶどうがあしらってあるんだよ。他のイスも企業や地域のモチーフがデザインされているものが多いんだけど、劇場やコンサートホールはすぐ暗くなるし、明るくなったらそのまま立ち上がって帰っちゃうので気がつかなかった…。

そして、まさにトリビアなんだけど、コトブキシーたんってイスじゃない、すごいものを作ってたんだ!なんと「太陽の塔」のお顔。


1970年の大阪万博のシンボル、あの太陽の塔だよ!当時、成形しやすく耐久性にも優れた素材として FRP製品が注目されていて、直径 12メートルのお顔を製作につながったのだそうです。ちなみに、びるるんは太陽の塔が大好きなんです~。万博では他にも多くのFRP製品が設置されたんだ。

このベンチもそう。今でもよく見かけるよね!剣持勇デザイン研究所がデザイン、まさにストリートファニチャーの先駆けなんだ!


これは、すごく古い劇場のイス。昭和初期 のもので劇場の連結イスが誕生した頃のものなんだって。座面の裏にあるこのワイヤー、なんのために付けてあるのかわかる? これ、山高帽を収納するラックなんだって!

山高帽。シルクハットとも
紳士が外出の時にかぶる帽子、たしかにお膝に置いてもじゃまだし、つぶれたり汚れたりしないようにここに収納できるんだ。すごいアイデア!こういうちょっとの隙間でも大事にしたいものを収納する場所があるって、すっごくいいよね。昔からそんなアイデアが実現されていたんだね。

■カプセルベッド 

撮影:村田雄彦

別のフロアに移動。ここはイスではなくて宿泊設備!カプセルホテルのベッドだよ~。ふふふ、ここでお昼寝ができそう…。見た目よりとっても広々!


最近だと、カプセル内の照明の色を変えられるタイプもあるんだって。長期滞在のお客さん、毎日同じだと飽きるから色で変化を付けたいと思ったんだそう。北海道のスキー場に導入されているそうです。

■議場、教育施設のイスやステージ 

撮影:村田雄彦

議場で使うイスや机もあります。演台や机は可動式でしまえるものもあって、会期中でない時は広々した空間として別利用している自治体もあるんだって!

撮影:村田雄彦

他にも収納式のステージもあるんだ。お遊戯やちょっとした発表をするステージ、いつもあると段差がじゃまだし、引っ張り出すと力仕事…なので、電動でお片付けしてくれるものもあるんだよ。



えへん!議長の威厳をぐっとアップさせるイス。

■アリーナのイス 

撮影:村田雄彦

各種アリーナのイスもいっぱい!


これはリオ五輪の開会式・閉会式が行われたエスタジオ・ド・マラカナンの観客席。他にも鮮やかな色があって明るいんだ。丸っこいフォルムで座り心地がいいんだよ。

■ シートの張地はオーダーメイド!

撮影:村田雄彦

さて、また別のフロアに移動してシートの張地見本があるラボに。イスはどれもオーダーメイドなので、張地もその施設のためだけにデザインされることが多いんだって。なんと1人のデザイナーさんが考えておられるのだとか。


この張地、かわいいポップな水玉…なんだか潜りたくなるでしょ。これは八丈街庁舎多目的ホールのイス。ダイビングなどで人気のある八丈島だから、ぶくぶく海に潜るイメージなんだって!


水玉の張地に水玉の凸凹がつけられて本当に水の中にいるみたいだね。他にも日本らしい伝統的な柄や企業が扱っているものをパターンにしたもの、その地域の名産をあしらったものなどステキな張地ばかり!



ラボでは照明の明るさが変えられて、暗めのホールでどう見えるかなど確認できるようになっていたよ。

撮影:村田雄彦

そして、こんなにカラフルでいろんな形や座り心地のイスができるんだ。

撮影:村田雄彦



駆け足で見学したけど、よく座っているのに模様は知らなかったり、ついつい映画や試合に熱中して座り心地まで覚えていないものなんだね。でも、そんなことを思い出さないぐらいに心地のいいイスを作っておられるんだ。

さて、びるるんは疲れたのでカプセルベッドでこっそりお昼寝しちゃおうかな…。

コトブキシーティングさん、ありがとうございました!

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