2016/02/04

【復興特別版】縄文遺跡で福島を元気に! 「宮畑ミステリー大賞」最優秀は寺島明美さん


 縄文の謎で「元気福島」を発信--。福島市にある縄文時代の集落跡にのこる“2つの謎”をテーマにした小説・漫画を広く募り、新たな魅力として全国に発信しようというユニークな取り組み「宮畑ミステリー大賞」各賞が決定。最優秀賞に輝いた寺島明美さん(福島市在住)の「ミヤハタ! タイムスリップ」など、各賞7作品を収録した『福島市 宮畑ミステリー大賞 作品集「縄文4000年の謎に挑む」』(現代書林、980円+税)の出版記念会見が1月27日、東京都中央区の八重洲ブックセンター本店8階で開かれた。

 小林香福島市長は、「縄文時代の遺跡である国史跡宮畑遺跡は全国に誇るべきものである。今回のアイデアあふれる作品集の出版を契機に、宮畑遺跡を地域の活性化に生かすべくさらに尽力していきたい」と述べた。
 また、三内丸山遺跡などのある青森県を始め、多くの縄文遺跡を有する東北、北海道の各自治体との連携も深めて、より広域的な活性化を図っていく考えも明らかにした。

最優秀賞に輝いた寺島明美さん

 最優秀賞に輝いたタウン情報誌の編集に携わる寺島さんは、「他の受賞作品も読んでいただき、少しでも宮畑遺跡、福島に興味をもってほしい。また、執筆中にお腹にいた息子が、10年後に読んでくれたらと思います」と最優秀賞受賞の驚きとうれしさを交えて語った。
 同賞は、市と市民有志がつくる、じょーもぴあ活用推進協議会が主催・募集した。審査基準はただ1つ「面白いかどうか」。年齢、性別、職業、国籍など応募資格は一切問わないという要件に、昨年3月末の締め切りまで、全国各地から149作品が集まった。
 審査員は同市出身の俳優、佐藤B作さん、「海猿」などで知られる漫画家の佐藤秀峰氏、書店「読書のすすめ」代表の清水克衛氏の3人。
 会見に引き続き、佐藤氏と清水氏をメーンとするトークショーには、地元福島を始め各地から多くの人が参集。時に絶妙な食い違いをみせる八方破れのトークを楽しんだ。
 縄文時代の人々が約2000年間にわたって生活した、南東北を代表する遺跡である宮畑遺跡は、宮畑遺跡史跡公園(愛称・じょーもぴあ宮畑)として整備され、昨年8月8日に全面開園した。樹齢100年を超える直径90cm、重さ約3tの栗柱を使った建物などを復元。縄文人の暮らしを伝える貴重な施設として、内外の注目を集めている。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 竹中工務店が福島で除染技術の実証試験 試験の様子  竹中工務店は22日、福島県除染技術実証事業に応募した除染技術の実証試験を福島市内の同社福島営業所敷地内で行った=写真。 福島県は、今後県内各地で本格的に進められる除染活動の促進を目的に除染技術を公募し、20者を選定。同社は、屋根・屋上・壁面・床面などの構造物の除染技術でそのうちの1者に選ばれた。 実証試験では、粒径1-1・5mmの鉄球を高速で打ち付け表層を削り取るショットブラストと、工業用ダイヤを高速回転させて表層を研削する研… Read More
  • 「被災前の自宅写真がほしい」/前後を記録した空撮写真集が発刊  東北建設協会(菅原政一理事長)が被災前後の空中写真データを提供した写真集『大津波襲来・東日本大震災 ふるさと石巻の記憶 空撮3・11 その前・その後』が、三陸河北新報社から発刊された。宮城県石巻市21カ所と東松島市3カ所、女川町5カ所の計29カ所の被災前後の空中写真が掲載されており、ふるさとの貴重な思い出や、津波の猛威を風化させないための資料として活用されそうだ。 震災発生から時がたつにつれ、「流出する前の自分の家が写っている写真がほしい」… Read More
  • 東日本復興2012年の展望/最大の課題は住民合意と産業創出 前田建設によるボランティア活動(陸前高田市、津端晃カメラマン撮影)    東日本大震災から9カ月余。2011年もあと1週間足らずで幕を閉じ、新たな年を迎えようとしている。被災地にとっては、約12兆円の第3次補正予算と地域再生を支援する復興特区法、これらをスムーズに後押しする復興庁設置法の3点セットがそろったことで、12年は本格的な復旧・復興に踏み出す年となる。この記事では来年の復興課題を探ってみる。  まず必要となるのが復興特… Read More
  • 南相馬市が除染・土壌保管管理、ゼネコン26社指名で提案競技 南相馬市の立ち入り禁止区域  福島県南相馬市は、除染作業および除去土壌等保管管理業務のプロポーザルを実施するため、26社を指名した。提案書の提出期限は2012年1月27日まで。2月上旬の1次審査で5社程度を選定し、ヒアリングを行う。同月中旬に受託候補者を選定する予定だ。履行期限は14年3月末。事業規模は3カ年で約400億円(税込み)と試算している。 指名メンバーは、▽竹中工務店▽大成建設▽清水建設▽戸田建設▽鹿島▽前田建設工業▽大林組▽東急… Read More
  • 被災3県が要件緩和要望/「復旧・復興施工確保連絡協」初会合  国土交通省は27日、仙台市内で「復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会」の初会合を開き=写真、被災自治体および建設関係団体から東日本大震災の復旧・復興工事における入札不調の実態や、技能者・技術者の不足状況などをヒアリングした。また、岩手と宮城、福島の3県が共通要望として、▽技術者の専任を必要とする建設工事の要件緩和▽実勢価格を即時に反映できる労務費調査制度の設定――の2項目を求めた。同省は今後、月1回程度の会合を開き、具体的な対応策を検… Read More

0 コメント :

コメントを投稿