2016/04/25

【広島市サッカー場】作業部会はみなと公園候補を優位に位置づけ 事業主体にPFI導入提案


 広島県、広島市、広島商工会議所のサッカースタジアム実務者検証作業部会は、事業の実現可能性調査結果をまとめ公表した。事業の採算性を向上させるためには民間財源を最大限活用する必要があると指摘し、事業手法としてPFIの導入を提案し、県・市共同発注によるBTO方式の採用を示している。画像は広島みなと公園案。

 候補地絞り込みに向けた比較優位性検証では、3万人規模とすることなどの前提条件やスタジアム仕様に準拠(一部はガンバ吹田スタジアムを参考)した仕様等を踏まえ、旧広島市民球場跡地(国有地約3.9ha)と広島みなと公園(県有地約10ha)を比較検討している。総評では、スタジアムの規模、多機能化・複合開発、集約の安全性、概算事業費については広島みなと公園が優位であり、集客数は旧市民球場跡地が優位であるとしている。

旧広島市民球場跡地案

 事業採算性評価について旧市民球場跡地は、敷地が狭あいで都市公園法の制約があるため複合開発は困難であることからスタジアム単体、広島みなと公園は複合開発が可能となり、ホテルや国際会議も可能なMICE(研修・視察・会議・展示室)施設等が誘致できた場合の収支を検証した。旧市民球場跡地については、本体工事に加え付帯工事を合わせた初期整備費が260億3000万円と多額となることに加え、年間収支で十分な借入金償還財源の確保は難しいと評価している。
 作業部会が優位と位置付けるみなと公園は、MICE施設を併設した場合、一定の借入金償還財源が見込まれるものの、立体駐車場(1000台)の整備が不可欠で、多機能化施設6900㎡、MICE施設(展示室9200㎡、1階床面積1万2760㎡)整備などの初期整備費が261億2000万円と多額となる。一方、ホテル等(MICE施設と同規模)を併設した場合、多機能化施設(6900㎡)と一体的な運営ができるため、初期整備費を180億1000万円に抑えられ、事業採算性が最も高いと評価している。
 事業主体については、PFIの導入を提案する一方で、初期整備に必要な資金調達のめどが立っていない現時点ですべてを民間で整備することは期待できないことから、一定の自治体関与(負担)は避けられないとしている。
 サッカースタジアム建設をめぐっては、J1サンフレッチェ広島が旧球場跡地建設に独自案を示しており、今回の調査結果を踏まえ4者会談の実現を目指す。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿