2015/10/11

【TGMM芝浦プロジェクト】新・東京の玄関口、着工! スマートエネの「やさしい」街づくり


 国際都市・東京の新たな玄関口としての役割が期待されるJR田町駅東口(東京都港区)で、総延べ約30万㎡の複合施設「(仮称)TGMM芝浦プロジェクト」が1日、着工した。事業者の東京ガス、三井不動産、三菱地所による先進的な環境エネルギー技術と不動産開発ノウハウを結集した複合ビジネス拠点となり、国際競争力強化に寄与する魅力的な街づくりを進める。

 田町駅周辺エリアは、特定都市再生緊急整備地域や国際戦略総合特区「アジアヘッドクォーター特区」にも指定されている。羽田空港や東海道新幹線へのアクセスも良好で、リニア中央新幹線の整備も計画されていることから、首都圏と世界、国内各都市をつなぐ役割も期待される。

(右から)菰田正信社長(三井不動産)、広瀬道明社長(東京ガス)、杉山博孝社長(三菱地所)

 9月28日に現地で行われた起工式では、同エリアについて三井不動産の菰田正信社長が「東京の国際化が進む中、さらなる活性化が期待される。国の内外からたくさんの人を呼び込む」とし、三菱地所の杉山博孝社長も「これからの東京の玄関口となる。東京を代表し、日本をけん引するまちづくりを進めたい」とそれぞれ思いを語った。
 JR田町駅から同プロジェクトと、さらに隣接する区有施設みなとパーク芝浦や母子愛育会の愛育病院などがある「公共街区」までが歩行者デッキで接続され、バリアフリーの歩行者ネットワークが形成される計画だ。

◆2つのスマートエネルギーネットワークを連携
 また、熱・電気の効率的な供給に向けた取り組みとして、東京ガスと東京ガスエンジニアリングソリューションズは、B棟I期工事のスマートエネルギーセンターを中心に、オフィス棟、商業施設、ホテルなどの施設を熱・電気・情報のネットワークで連携し、スマートエネルギーネットワークを構築する。主要設備はガスエンジン1000kW5台のガスコージェネレーションや、排熱投入型蒸気吸収、ターボ、蒸気吸収の各冷凍機計7000冷凍tなど。

田町駅東口北地区におけるスマートエネルギーネットワークのイメージ

 I期が竣工する18年から熱・電気の供給を始め、さらに隣接する「公共街区」の既存のスマートエネルギーネットワークと連携し、熱の相互融通を行う。日本で初めて2つのスマートエネルギーネットワークを連携することで、TGMM芝浦プロジェクトと公共街区の両街区全体でエネルギー需給の最適化を実現する。「さらなるエネルギーセキュリティーの向上と低炭素化に貢献する」(東京ガスの広瀬道明社長)狙いだ。
 両街区のエネルギー需給を一括管理・制御する「SENEMS」(スマートエネルギーネットワーク・エネルギーマネジメントシステム)活用により、全体でCO2排出量を1990年基準比で約45%削減することを目指す。また、公共街区の熱・電気のバックアップ体制を構築し、災害に強いまちづくりにも貢献する。

◆事務所、ホテルなど3棟総延べ30万㎡
 同プロジェクトの建設地は、JR田町駅に隣接する芝浦3-1-20ほかの東京ガス所有地約2万8000㎡。低層部が店舗、中高層部が事務所のA棟(地下2階地上31階建て延べ約13万2600㎡)とB棟(地下2階地上36階建て延べ約15万㎡)のほか、地下2階地上9階建て延べ約1万6360㎡のホテル棟を建設する。今回着工したのは、このうちA棟、ホテル棟、B棟I期工事となる地下部のスマートエネルギーセンターで、いずれも18年春の竣工を目指す。
 設計・監理は三菱地所設計・日建設計JV、外装デザインはコーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ、施工はA棟、ホテル棟が大成建設、B棟I期は清水建設が担当する。B棟II期となる地上部の施工者は未定だが、19年中に竣工する予定だ。
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