2015/12/03

【火山災害対応】登山者避難の手引き公表 山小屋を補強し活用も 内閣府


 内閣府は1日、活火山が噴火した場合に登山者らが避難する退避場所の確保に向け、噴石への対策例などをまとめた手引きを公表した。
 写真は御嶽山の飛騨頂上直下にある五の小屋(photo:Alpsdake)。

 「アラミド繊維」と呼ばれる、防弾チョッキに使われる高機能繊維を屋根に挟み込んで補強し、山小屋を活用する方式などを紹介している。2014年9月の御 嶽山(長野・岐阜県境)の噴火を踏まえ、噴石が落下した際に一定の効果を発揮する退避場所について、自治体などが整備を進める上で参考にしてもらう。

パラ系アラミド繊維織物

 手引きは、発生の兆候がとらえにくい水蒸気噴火など比較的小規模な噴火が対象。噴石が飛散しやすい、想定火口域からおおむね2㎞以内の整備を優先するのが望ましいとしている。  対策では衝突シミュレーションの結果などを踏まえ、こぶし大の噴石が時速300㎞ほどで飛散するケースでは、今ある山小屋を高機能繊維で補強するのも有効と結論付けた。50cm程度の噴石にまで耐えられるようにするためとして、鉄筋コンクリート製の構造物を設置してシェルターとする対策例も示した。
 御嶽山の噴火では、死者・行方不明者合わせて63人を数える戦後最悪の火山災害となった。一方、山小屋に避難して助かった人もいたことなどから、シェルターだけでなく山小屋の利活用も含めた退避場所整備の重要性が指摘されていた。14年10月時点で気象庁が常時観測している全国47火山のうち、シェルターが設置されているのは11火山となっている。
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