入社9年目。四国の土木現場を渡り歩いてきた。入社4年目で結婚・出産して1年間育休を取得した。いまも両親と暮らしながら、地元・香川県の工場土木の現場で働いている。
復帰1年目は、時短制度を活用して午前9時から午後4時まで勤務した。「午前7時半に保育所の門が開くと同時に娘を預けて急いで出勤。遅くても午後4時半には現場を出て6時までに保育所に迎えに行く」という生活だった。
復帰直後は早い時間に帰ることに心の葛藤があった。だが、「自分が全部を回そうと思わなくていい」と思えるようになって切り替えられた。現在はフルタイムで働いているが、「朝1時間早く出勤し、夕方の残業はしない」と決めている。出勤時の車の中で仕事モードに切り替え、頭の中を整理し、できるだけ効率よく仕事がこなせるよう心掛けている。
続けられるポイントは「周囲を巻き込むこと」。午後5時に帰ることを上司・同僚や現場の職人にまで伝えれば、「みんなが合わせるようにしてくれる」という。いまでは、むしろ周囲から「早く帰れよ、と声を掛けてもらえる」という環境ができている。建設業に理解のある両親に大いに助けられているが、「できれば完全週休2日制が早く導入されれば助かる」という気持ちもある。
自身は、祖父、両親が行政や企業で建設業に携わってきた“建設家系”の中で育ち、就職活動も同社1本に絞って「抵抗なく建設業に入ってきた」。それでも、妊娠した際に辞めようと思ったことがある。しかし、「せっかく自分が志願して入った会社だし、もったいない」と思って続けることにした。何よりも「自分にはこれしかない」というほど建設の仕事が好き。
娘が両親とともに現場に“表敬訪問”に来たこともある。娘には「自分でやりたいことを見つけてもらえれば」と語るが、将来、現場で母と娘の“親子鷹”が見られる日が来るかもしれない。
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