日本埋立浚渫協会は13日、那覇市の那覇空港滑走路増設護岸工事現場で、第19回の「うみの現場見学会」を開いた。琉球大工学部環境建設工学科土木コースの3年生17人が参加し、全容が見え始めた護岸工事現場の大きさを体感した。
台風の影響から建設地高台からの見学になったが、配布されたオペラグラスを使ってくまなく現場を眺める前向きな姿もあり、「座学と現場を結びつける良い機会」(入部綱清琉球大助教)になった。
見学先のN工区築造工事は若築建設・りんかい日産建設・大米建設JVが担当し、護岸工区の中で最大となる幅20m、奥行き22.4m、高さ12mのケーソンを使うなど代表的な現場。現在は工事完了前の最終段階を迎えている。
見学会の冒頭にあいさつした企画広報委員会委員長の稲富路生五洋建設取締役兼執行役員経営管理本部長は「われわれ建設業は社会インフラの整備を担い、快適な暮らしを支えている。海上土木現場を身近に感じ、建設業の技術や仕事について学んでもらいたい」と強調。続いて九州支部長の烏田克彦若築建設取締役兼常務執行役員九州支店長は自らの経験談から「工事が完成した後の達成感は汗をかいた者しか味わえない」と建設業の魅力を学生に伝えた。
若築JV施工のN工区現場 |
那覇空港滑走路増設事業は85件の工事が発注され、長さ約8.5㎞におよぶ護岸工事は延長ベースで95%が契約済み。ケーソンは全60函の製作・仮設を終え、このうち56函の据え付けを完了している。内閣府沖縄総合事務局の與那覇健次那覇港湾・空港整備事務所副所長は琉球大卒業生ということもあり、「後輩にこうして説明するのは感慨深い。海洋土木の魅力を知ってほしい」と語った。
天候の関係で学生は高台から現場を眺めるにとどまったが、現場担当者に現場の労働環境や建設業の魅力などを質問した。引率した入部教授は「就職活動を前に現場を体感でき、学生たちにとっては刺激を受けたと思う」と見学会の意義を述べた。
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