2017/01/16

【建築文化保存協会】最後には必ず模型が勝つ! KDaの2人が語る「あなたに見せたい秘密の模型」


 日本建築文化保存協会は11日、東京に拠点を置く建築家ユニット、クラインダイサムアーキテクツ(KDa)のアストリッド・クライン氏とマーク・ダイサム氏を招いて東京都品川区の寺田倉庫本社ビルで講演会を開いた。さまざまな角度から建築模型と建築文化の可能性を探る連続講演会の第6回となる。写真は右からクライン氏、久山氏、ダイサム氏

 「Secret Models-あなたに見せたい秘密の模型」と題した今回は、実現に至らなかったものを含め、『GINZA PLACE(銀座プレイス)』や『代官山T-SITE』『BWM GROUP TokyoBay』など、KDaが手掛けた近年の建築プロジェクトを紹介。未発表の模型も数多く披露した。
 この中では、「クリスタルのキャンドルスタンド」にインスパイアされた最初の案から、クライアントの要望や周囲の街並みとの関係性などから「グラスに立ち上がる泡のような上昇するイメージ」「上昇をイメージさせる曲線」「曲線を編み込む」といったファサードデザインに展開していった銀座プレイスのように、「建築家の夢が純粋な形で表れた」プロジェクトの最初期から、実現に向けてさまざまな条件に合わせながらデザインを収れんしていく、その創作の過程をフェーズごとの模型を通して説明した。
 また、「模型は伝えたいことをきちんと伝えられる。どんなにすばらしいコンピューターグラフィックスがあっても最後には必ず模型が勝つ」「ランドスケープをちゃんと考えるためにも模型は大切」などと、創作プロセスにおける建築模型の重要性も強調。
 スタッフの久山幸成氏を交えた3人の軽妙な掛け合いは、常に遊び心を忘れずにさまさざまな制約条件も逆手にとってデザインに生かしていく軽やかでポジティブな姿勢と相まって聴衆を魅了していた。
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