2017/01/11

【熊本地震】進む復興 熊本城大天守は19年3月末の復旧想定


 熊本地震の復興のシンボルとして、熊本城再建計画=写真は完成予想=が進められている。熊本市は、熊本城復旧の基本的な考え方を示す復旧基本計画策定支援業務を日本設計に委託、熊本城天守閣復旧整備の事業者は大林組に決めた。天守閣は原状復旧にとどまらない未来の復元整備を見据え、大天守は2019年3月末までの復旧を想定している。倒壊防止工事が進められている飯田丸五階櫓は石垣復旧事業の委託手続きを進めている。

 熊本市が復興重点プロジェクトに位置付けた熊本市民病院再建事業は、被災した同病院を熊本市東区東町4に移転する計画で、16年12月に設計・施工一括発注で公告した。延べ床面積3万5000㎡以下、事業期間は31カ月を想定。事業規模は168億4700万円(税込み)以下としている。
 熊本地震による被災で庁舎が使用不能になり、対応を迫られているのが八代、宇土、天草の3市、益城、大津の2町だ。
 八代市は設計者の選定手続き中。規模は延べ床面積1万9000㎡程度を想定。天草市は日建設計で設計中だ。宇土市は16年度内に構想策定する。構想素案によると、延べ床面積は7660㎡を上限に設定。事業費は約45億円と試算した。
 益城町は新庁舎建設を復興計画案に盛り込み、有識者らで構成する新庁舎建設検討委員会で検討し、17年度に基本構想を策定する。21年度ごろの供用開始を目指す。大津町は新庁舎の規模を延べ床面積5000㎡程度と見込む。17年度内の基本構想・計画策定、18年度の設計、19-20年度の工事を想定している。
 防災拠点を担うはずの庁舎の被災に、隣県自治体らの防災意識は高まった。福岡県内では大牟田市が老朽化している庁舎の耐震診断に着手。糸島市は計画中の新庁舎完成まで既存庁舎の耐震改修をしないという方針を転換した。鹿児島県内では南さつま市が耐震補強対策を検討している。
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